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【「Jマネーのドル買い起こらず」は日銀の想定外なのか】日銀にハメられた?アメリカが向かう先②

2017-12-05 00:01:23 | 日本

前回からの続き)

 日銀の金融政策「異次元緩和」の本当の目的は「アメリカ支援」―――株などの資産価格上昇の促進とジャパンマネーのドル資産流入の後押し―――だと考えています。ここで米株上昇については狙いどおりで高値安定、どころか足元ではヤバイくらいの勢いで上昇を続けており、まずまず日銀の目論見のとおり(?)といえるでしょう。しかしドル円のほうは前述のように現時点で1ドル111 ~112円あたりと、2014年10月末の「追加緩和」発動時とほぼ同水準。それ以降いままで「米:金融引き締め、日:さらに緩和」だから本来ならばドル高円安がもっと進みそうなのに・・・いったいどうして?

 そのへんの市場的な解釈は・・・「日米金利差が予想されたほど大きくはならなかったため」なのでしょう。たしかに、米FRB利上げを比較的素直に反映する短期の金利が上昇したことで日本のそれとの差は多少開きました(2年物日米国債金利差:2014年10月末:0.46%→今年11/28:1.92%)。でも長期金利10年物国債金利)の方は1.86%→2.3%とそれより短い期間の国債金利と比べても大きいとはいえない感じです。このあたり日本の投資家からすれば・・・まあ日本は超低金利だけれど、日米の利回り差がこの程度なら、両国のインフレ率とかファンダメンタルズの違いを考えるとドル米国債(とくに米長期債)もまた積極的には買えないな・・・ということでドルの需要は高まらず、ドル高円安は進まないということに・・・

 そういうわけで、ジャパンマネーでドルを支えようという日銀の所期の目的はなかなか達せられない状況になっています。この金利差以外に・・・円→ドルシフトがそれほど起きていないのには高まる為替リスクの影響もあるはず。こちらを含めて何度も指摘しているように、異次元緩和後の日米為替レートは実質実効ベースとの比較で大幅な円安ドル高になりました。ゆえに、この局面ではドルは高過ぎて買えない、というのが至極常識的な判断になるものと思われます。

 もっとも上述のとおり・・・日銀の政策のせいで日本国債もまた(一部は額面を上回るくらいの)超高値になっていて手が出せないわけです。多くの本邦投資家がこうしてドルも国債も買えずに、持て余した(?)円のキャッシュを日銀当座預金口座に「ブタ積み」するか、いっそ「タンス預金」に回す(?)しかなくなってしまっている・・・。そのさまの一端はこちらの記事に書いた企業各社の「キャッシュリッチ」ぶりにも表れているところです。

 このように日銀は・・・(日米の)株に代表されるリスク資産の価額上昇こそ実現させましたが、ドルをサポートさせるという点では達成度は不十分といった感じだと思います。さらに、これほどの低金利に誘導したにもかかわらず、巨額の円貨が実質的にキャッシュのまま凍り付いたように動かず、インフレは起こらないし投資も消費も活性化しない現況もまた想定外なのかも・・・

 ・・・以上などを根拠に、日銀の「異次元緩和」は誤算続き、なんて見方があります・・・が、これらは本当に見込み違いだったのでしょうか? むしろ日銀・・・の幹部は、こうなることを完全に読み切っていたのではないか

続く

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