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【外国資産に手出し無用!で、キャッシュリッチに】日本企業の「キャッシュリッチ」ぶりに思うこと③

2016-12-01 00:03:06 | 日本

前回からの続き)

 現在、日本企業が巨額のキャッシュ(現金預金、2015年度で約252兆円!)を抱えている理由は、本ブログでたびたびご紹介している通貨の強さ(実質金利の高さ)を表す不等式「(金>)円>ドル>ユーロ>新興国通貨」で説明がつけられると考えています。端的にいえば、円のキャッシュ以上に利回りを得られる優良な投資対象がなかなか見つからない、ということ。

 ・・・もし自分が本邦事業会社の経営者だとしたら、手持ちの資金をどう活用しようとするでしょうか? 企業家であれば、まずは設備投資を思い浮かべるでしょうが、後述するような事情もあって、いまの日本では魅力ある案件の形成は難しくなっています。では対外投資は?ですが、これは現在、日本国内の投資以上に見当たらない・・・どころか、かえって危険なものばかり(?)。というのは、外貨建てのこれらは為替差損を発生させるリスク、つまり時間の経過とともに円換算の価値がどんどん下がっていくおそれが大きいためです。まさに「円>外貨」が教えるとおり―――この為替リスクを差し引いても円建てでプラスのリターンを生むプロジェクトなんて、いまの世界のどこにあるのですか?―――ということです(って、「金>円」だから、有望な金鉱山開発などはよろしいかも?)。

 上記に関して付け加えると、とりわけ「いま」はマズい―――いまは外国への投資(直接投資ばかりではなく外資買収とか外貨建て金融資産投資など)は慎むべき!―――といえるのではないでしょうか。なぜなら、足元の為替が過度に円安外貨高に振れていて、外国資産が円建てで実態以上に高く評価されているため、ヘタにこれらを入手したら高値掴みになることが目に見えている(?)ためです。

 で、そんな市場環境―――本邦企業家が外国に投資しづらい環境をもたらしたのは、いうまでもなく「アベノミクス」すなわち「円安誘導。その実施部隊である黒田日銀異次元緩和」で円が人為的かつ不健全なかたちで外貨に対して過剰なまでに安くされている様子は、本ブログであれこれ書いているとおりです・・・。なので常々「日本企業よ、アベノミクスに踊らされて(?)、どうかそんな高値掴みはしてくれるなよ~」と祈るような気持ちでいるわけですが・・・

・・・って、それほど心配することなないでしょう(もっとも、一部企業はすでに相当な外貨高レートで外資企業買収等をしてしまったとの印象がぬぐえないが・・・)。その根拠が上に書いた内部留保に占めるキャッシュ額の巨大さです。つまり大半の企業経営者が上記リスクをしっかりと認識し、危険な外国投資等には手を出さず、結果として、いまは現金預金を積むことが得策との経営判断をした、ということなのでしょう。このあたりはこちらの記事に綴った本邦金融機関の投資行動と実質的に同じで、両者ともに賢明だと思います。ようするに、新たな投資機会が来るまで「」で「巣ごもり」・・・

・・・とはいうものの、企業内にこれほど多額のキャッシュが留まったままでは・・・という気がするのもたしかです。これを何か別な、この国の成長に寄与できるかたちで活用できないものか・・・

続く

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