世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【米、超低金利下でバブル崩壊寸前の異様】日銀にハメられた?アメリカが向かう先⑦

2017-12-15 00:00:25 | アメリカ

前回からの続き)

 先述したアメリカの長短金利の平坦化ですが、これ米メディアがいうような「リセッション(景気後退)の兆しみたいな生易しいものではなく大きな「経済危機」の前触れといったほうが適切でしょう。この現象が見られたのは今世紀に入ってからは2000~001年あたり、次が2007~2008年あたり、そして現在。過去の2階では直後にそれぞれ「ITバブル」「不動産バブル」が崩壊、前者では深刻なIT不況(2001年には同時多発テロ)、後者ではリーマン・ブラザーズという巨大金融機関の経営破綻と金融危機が起こっています。そして、いま・・・以前のバブルをはるかにしのぐ規模のバブルが膨張し切っているわけです、先述した日銀の異次元なサポートもあって・・・

 個人的に気になっているのが、上記平坦時の金利水準が下がってきている点。10年物国債金利(長期金利)でみると、ITバブル時は5~6%台、不動産バブル時は4~5%台、そして今回が2%台といった具合。つまり今回の米バブルが過去とは比べようがないほどの低い金利局面(国債価格が高い局面)で破裂しそうだと思われること。これ、債務者の金利上昇に対する耐性がそれだけ弱いことを意味するわけで、今後のローン延滞率の上昇とか破綻家計の急増といった危険な事態が想定されるところです。当然、これらによって不良債権が積み上がり、金融システムは動揺し、株やジャンク債がさらに売られ、住宅価格も下がって・・・みたいな負のスパイラルになっていく・・・

 異例の低金利にもかからわずバブルが崩壊―――これ米FRBにとっても厳しい状況です。伝統的な金融政策の余地がほとんどないためです。すでに金融引き締めに入っているとはいっても政策金利の誘導レンジは現在1~1.25%。ということは、過去は4%ほどはあった利下げ可能幅が今回はたった1%ほどしかないことになります。その程度の操作で危機がしのげるなんて誰も思わない(?)。こうして伝統的な策はあえなくつき、ついに本当に本当の危機に直面してFRBは結局、非伝統的な金融緩和策すなわちQEという名の国債直接引き受け策に4たび、踏み出すしかなくなるでしょう(?)。

 ・・・以前から、FRBに利上げ(金融引き締め)は無理だ・・・と書いているのはそんな理由からですが、これをますます無理筋にしてしまったのは日銀が戦略的に米バブルを極限まで煽り立ててしまったからだと考える次第です。こうしてFRBとアメリカはドルの無限増刷に追いやられてしまうわけですが(?)、そのときアメリカと世界はどうなってしまうのか・・・

続く

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする