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日銀の「異次元緩和」で注目の日銀当座預金残高②

2013-04-07 00:00:34 | 日本

(前回からの続き)

 意外なことに(?)どうやらそうはなっていないようです。財務省によると、わが国の投資家は、2月に外国中長期債を約2.5兆円、そして外国株については11月から5ヶ月間で約3.8兆円、いずれも売り越して、資金を日本に回帰させているとのことです(ロイター社報道)。

 この間、世界的な「リスクオン」と、インフレ目標2%を標榜する「アベノミクス」のもと、おもに欧米のヘッジファンドが投機的な円売りドル買いを仕掛けたことなどから円安ドル高が急速に進みました。これに乗じるかのように、このところ、リフレ派のエコノミストや(おもに)外資系金融機関のアナリスト、さらにはマネー雑誌などが、外貨・外債投資をさかんに推奨しているように感じられます(今後は黒田日銀の「異次元緩和」が煽る資産バブルで、書店のビジネス書コーナーは外貨や株式などのリスク資産投資一色に染まりそうです)。

 ところが、このような外国勢の円売りポジションや、「日銀の大胆な金融緩和で円安外貨高がさらに進む!」などといった各メディアの派手な報道振りなどとは裏腹に、わが国の投資家の多くは、上記のように外貨建て資産の売却という、「アベノミクス」の円安誘導(?)とは逆の動きを示しています

 これら投資家は、昨年終盤からの円安外貨高のトレンドのなかで、外貨を買って為替差益などを狙うのではなく、むしろ絶好のチャンスとばかりに、過去に高値掴みをした外貨建て資産をせっせと処分しているということなのでしょう。たとえば、ある機関投資家は「日本中の投資家から『やれやれ売り』が出た」とコメントしたと先のロイター社報道は伝えています(「やれやれ売り」とはうまい言い方ですね)。結局、こうした外貨の処分売り・資金の円への回帰といった流れもまた、本稿冒頭の日銀当座預金残高の増加につながったものと考えられます。

 「アベノミクス」賛同者に多い感じの円安歓迎論者には申し訳ないけれど(?)、結果として「円安誘導による外需狙い」に水を差す効果をもたらすわが国投資家による上記の外貨建て資産売り(円の買い戻し)は妥当な判断だと個人的には思います。以下に記すとおり、現在の「アベノミクス」や「リスクオン」の潮流に乗り、円を売ってユーロやドル建ての資産を買い増していけるほど、欧米経済が真に回復・成長路線に入ったとはとても思えないからです。

(続く)


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