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【中国、SDRの国際通貨化を断念、金準備増強へ?】ビットコインは本当の通貨に進化できるのか④

2017-12-27 00:00:22 | 世界共通

前回からの続き)

 ところで前回ご紹介した、IMFのSDRドルに替わる国際決済通貨に採用せよ、という2009年の周小川・中国人民銀行総裁の提案ですが、個人的には一理あると思うし、日本にとってもメリットがあるものと考えています

 現在の米ドル基軸通貨制度は、アメリカ一国の都合でドルがマーケットに大量に散布されたり吸収されたりして、そのたびに世界中に大き過ぎる影響が及んでいます。ドルが誰にでも受け取ってもらえるのをいいことにアメリカは、バブルを次々に生み出して金融危機を巨大化させているうえ、中国や日本のような対米黒字国に対してはドルをインフレで安くして、実質的な債務負担を軽くしてきました(両国ともにドル資産の目減りに苦しむことになりました)。そんな混乱や損害をなくすため、国家間の商取引の媒介物にドルではなく国の枠を超えた共通ユニットを使うという発想はとても合理的だと思われるわけです。

 こうした中国の姿勢について、わが国ではアメリカ=ドル覇権にチャレンジするものとして警戒する見方が少なくないようですが、たとえば上記SDRであれば日本にとってはべつにネガティヴではないでしょう。日本のもSDRの構成通貨に入っているため、中国の提案が形になればの国際通貨への脱皮が促進され、それだけ円の価値が高まり、ひいては国家の安定や強化につながると予想するからです。したがって、このあたりの新ルール作りでは日本も中国と歩調を合わせて世界をリードするべき。同じ巨額のドル(米国債)ホルダーという意味で日中両国の利害は一致しますしね・・・

 でも・・・中国の上記アピールはいまだ検討すらされず、相変わらずドルの一極体制が続いているわけです。わたしは、上記提案が通らなかったがゆえに中国は、各国と協調した共通決済制度の立ち上げを断念し、自分たちだけで通貨「人民元」の国際化を進めようと決意したのではないかと推測しています。それが、こちらの記事等で書いた金準備の増強、つまりこれまで自国通貨の信認を裏付けていた資産をドルから「」(ゴールド)に大転換させるというものです。これによって中国は、アメリカの縛りから自由になれる(米インフレ政策等のダメージを軽くすることができる)とともに、大量の金塊に裏打ちされた強い通貨でドルを基軸通貨の座から追いやることも可能になるでしょう(?)。

 先日、アメリカでは法人税率と所得税最高税率の引き下げなどが盛り込まれた税制改革法案が議会を通過しました。これ米経済の活性化が目的・・・ではなく、いつものように(?)株主利益を増やすことで富裕層をさらに潤し、株価をつり上げよう、といったあたりが本当の狙いでしょう(?)。ともかく、これによって米財政のいっそうの悪化=多額の米国債振り出し=ドルの信認毀損は不可避(今後10年間で1.45兆ドル財政赤字が拡大する見込み)で、中国の上記決意は一段と強固になったと思われます。

 本稿で述べているビットコインの人気には、そんなドルの価値低下に対する警戒感が反映されている面があると考えています。

(続く)

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