プリアンプの出力トランスと、パワーアンプの入力トランスについて、いろいろやってきたのでこの辺で一旦まとめる。
問題はインピーダンスマッチング。
トランスに付ける抵抗をあれこれ変えてみた。微妙に音は変わるが、大体は問題無い程度には鳴っている。多分この辺がトランス接続の凄いところ。600Ω伝送だからって、600Ωじゃなきゃダメな訳じゃないんだ。
那須氏の記事は、ラジオ技術誌に詳しくは無いが、私の知りたい事が載っている。それをヒントに今のアンプを解析してみる。
※多分計算は合っていません。参考にはなりません。
まずはプリアンプCfD-7.1の出力インピーダンスを計算してみようと思う。
終段の5687は定格より電流を下げて動作させているので、内部抵抗rpは約3.7kΩとなった。二本パラで7.4kΩ。ちなみに5687は、12mA流すと3kΩのrpだ。
これを20kΩ:600Ωのトランスにかけると、二次側が222Ω程になる。
那須氏はパワーではなくチャンネルディバイダ―を繋ぐので、負荷は270Ω程で考えてる様だ。
最初は記事そのままの定数で計算すると、低い値が出てきた。しかも負の値。※実際には厳密には製作してはいない。
実際にはこれにNFBが掛かるので、さらに1/3になるようである。
次に那須氏のプリとラジ技誌・石塚&等々力両氏のパワーをつないだ。
なんで低い値になってしまうんだろう。
那須氏によると、測定したインピーダンス74Ωから51Ωを引いて正味23Ωになるというのだが、なんで引くんだろう?もしこの51Ωの抵抗を600Ωに換えたらマイナスになるじゃん。負のインピーダンスってなんだ?あー分からん。
この状態で音出ししてみた。
割とよい。音量も十分だ。まあ、インピーダンスマッチングがどうだかわからないので、もう少しよく成るのかもしれないという期待がある。
51Ωの抵抗を600Ωに変更してみた。那須氏は51Ωの抵抗のは安全のため、と言っているが何の為の抵抗かは分からない。那須氏はアンプではなくチャンデバなためプリの負荷は重いと考え、私の場合は600Ωの負荷のパワーアンプなので、それに合わせようと思った。
ここまで定数を入れ替えても数字がわからない。
困った。諦めるか。
ここで、実際に出力インピーダンスってどのくらいなの?
那須氏の記事に測定法が載っていた。ON-OFF法と言うらしい。
これで測定してみた。
なんと、100Ωちょっととなった。もう少し高く出ると思ったんだけどな。緑の線。
5687の内部インピーダンスはパラで7.4kΩ、これに出力トランス20kΩは軽すぎね?那須氏は負荷にデバイダーを接続(高域で500Ωとのこと。負荷には270Ωの抵抗を使ってるので270Ωで考えていると思う)出力インピーダンスを下げたい(23Ω)ので意図的に7.4kΩを20kΩで受けるなんて使い方をしてるのではないか?
ということで一次側を10kΩにするため、二次側の端子を替える。これで測定。
少しインピーダンスが上がった。といっても140Ω位だ。赤い線。
もうこうなったらNFBを外してしまおう。
これがなんと400Ω弱になった。これならよく成ってるはずだ。青い線。
早速音出し。
あれ?音に力が無くなった。少し焦ったが、低音は充分出てる。やや、細身の低音になったかもしれないが、不満はない。
ただ~し、中音が変わった。といってもヒーターをDCからAC点火にしたような微々たる違い。でも音が生きている。これはノンNFBの音だ。生き生きした、私の好きな音。
NFBを外すと音量が上がるはずだが、前とあまり変わらない。インピーダンス上昇と相殺されたかな?
ここで、はっと思いついた。那須氏の言ってる「正味23Ω」というのは出力端子でのインピーダンスではないのではないか?51Ωの抵抗の手前のインピーダンスであって、それに51Ωの抵抗を足して74Ω・・・。だとしたら逆算で出力インピーダンス74Ωから51Ω引いて23Ω。
そうか!そういうことか!!
ならば計算しなおす。出力トランス一次側は10kΩのままだ。
5687の内部抵抗は3.7kΩ。日本パラで7.4kΩ。
出力トランス10kΩ:600Ω。一次側が1.4倍なので。二次側に出るインピーダンスは444Ω。
こいつとターミネート抵抗がパラだから255Ω。
これに51Ωの抵抗がシリーズだから306Ω。
おお、だいぶ近づいた。
この計算法でNFBアリの時の出力トランス20kΩの時と、10kΩの計算をし直したら結構うまくいった。
なんと、計算でトランスがわかるとは。
やはり実際にあれこれやってみるのが一番だ。
これを理屈で分かってしまう電気屋がうらやましい
個人のHPに良い資料があった。
電力伝送についてだ。これが一番効率がいいらしい。
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