なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

そのまま入院(膵癌緩和ケア)

2013年07月30日 | Weblog

 昨日、87歳男性が基幹病院腫瘍内科から紹介されて内科外来を受診した。昨年10月に閉塞性黄疸で発症して、近くのクリニックを受診した。すぐに内視鏡処置のできる基幹病院へ紹介されて、消化器科で胆管ステントが挿入された。その後、腫瘍内科でジェムザールの点滴静注とTS-1の治療を受けたが(よくこの年齢の患者さんに行ったものだと思うが)、体力的に限界だった。緩和ケアのみとなって、当院に連絡が来た。紹介元のクリニックにいったん戻すが、入院が必要になった時に診てほしい(要するに看取ってほしい)というものだった。医療用麻薬(オキシコンチン20mg/日)が処方されていて、クリニックでは処方しにくいと思われたので、当院の外来で経過をみることにした。

 受診してみると、食欲はなく倦怠感があり、家族は入院させてほしいという。患者さん本人は迷っていたが、結局入院となった。家庭での介護が難しいのと、妻が当院のリハビリ科に入院しているのでということだった。胸腹部CTをとると、腹水があった。腹部は膨満しているが、上半身はげそっとやせている。癌性悪液質のそのものだった。、余命1か月と推定された。ステロイド(デカドロン2mg)の点滴を行うと、今日は食欲が出て、顔色も良かった。一時的な改善で、退院はできないだろうが、できるだけ最期まで平穏な状態で過ごしてもらいたい。

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