なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

回腸末端炎

2013年07月24日 | Weblog

 糖尿病で通院している52歳女性が6日前からの腹痛で一昨日の月曜日に受診した。腹部全体が重苦しいという。念が緩い時もあったが、下痢とはいえない。嘔気はない。あまり食べないようにしていたという。発熱はなかった。腹部X線で特に異常は指摘できない(イレウス以外はあなり役立たないが)。血液検査をすると白血球数はせいじょうだが、ふだんの値よりは少し多い、CRPが6だった。腹部エコーで回腸末端の腸管壁肥厚と腸間膜リンパ節腫脹を指摘された。腹部造影CTを施行すると、虫垂炎や結腸憩室炎はなかった。回腸末端が全周性に肥厚して腫脹している。腸間膜リンパ節の腫脹が確認された。盲腸から上行結腸近位部も壁肥厚しているが、一番目立つのは回腸末端だった。

 少なくとも今すぐ開腹する状態ではない。入院して点滴と抗菌薬投与で経過をみるところだろう。もっとも抗菌薬投与の適応があるのかどうかわからない。鑑別としては何らかの感染症か悪性リンパ腫だが、一番ひどいのは受診日の前で、少し良くなっているという点では感染症のような気もする。患者さんは夫婦でコンビニを経営していて、入院できないので、毎日点滴に通いたいという。外来で500mlの点滴2本と抗菌薬を点滴の最初と最後に入れた。翌日受診して症状を聞くと、悪化はしていないという。再検した血液検査でCRPが3になっていた。抗菌薬が効いているのか、自然経過なのかわからないが、経口抗菌薬を継続して2日後に受診とした。診断がつかずに治りそうな経過だが、治ればよいと思う。

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