なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

尿管結石

2021年02月02日 | Weblog

 先週の金曜日の午後に、75歳男性が右腹痛で内科外来を受診した。ふだんは高血圧症・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症で通院している。

 発症様式は突然発症と思われるが、認知力低下があり、具体的に何をしていた時とは言ってくれなかった。発症してから持続しているというが、当初より症状は軽減しているらしい。

 腹部は平坦・軟で、右下腹部に軽度の圧痛があるが、はっきりここと言えないようだ。発熱はなく、嘔気や下痢はなかった。部位的には通常虫垂炎・憩室炎だが、発症様式と経過は違う。

 腹部CTで確認すると、右尿管結石が描出された。膀胱壁内というよりは、すでに膀胱内に入り込んでいるいるように見える。CTの台から起き上がったところで、症状を訊くと違和感程度だった。尿管結石だったと伝えると、年齢は覚えていないが、以前に尿管結石になったことがあるらしい。

 

 連れてきた娘婿に、画像を見せて説明した。おそらく自然排出されるので、そのまま様子をみてもらうことにした。NSAIDsを3日分だけ処方した。

 

 この患者さんの初診は6年前の右視床出血だった(脳室穿破あり)。脳外科のある病院に紹介したが、保存的治療なのでリハビリ目的の転院で戻ってきた。

 妻が死去していて、一人暮らしだった。退院後も一人暮らしをしていたが、認知力低下が出て来た。他県に嫁いでいた娘さんが電話での会話がおかしい(以前の話を忘れている)のに気付いた。結局、娘さんが夫と一緒に当地に戻ってきて、世話をすることになった。

 言葉がすぐに出てこないので、会話にちょっと時間がかかるが、身体的には日常生活にさほど支障はない。いい晩年を過ごしていると思うが、当院通院の患者さんとしては年齢的にまだまだ若手だった。

 

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