昨日内科再来を診ていると、耳鼻咽喉科医から連絡が来た。がんセンターからの紹介で経過をみている82歳男性の肺病変のことだった。
2017年にがんセンター頭頚部外科で硬口蓋腫瘍の手術を受けた。術後の局所再発はないが、肺門部に腫瘤を認めた。縦隔リンパ節転移あるいは原発性肺癌が疑われて、呼吸器内科と相談した。年齢・PSを考慮して精査・治療の適応なしと判断されていた。
腫瘤が増大しており、早晩緩和ケアが必要になるが、貴院でお願いしたいという内容の紹介だった。昨年1月に当院の耳鼻咽喉科外来を受診して、経過をみていた。
昨年12月までの画像では大きな変化はなかったが、昨日のCT検査で腫瘤の増大・肺炎様陰影を認めた。耳鼻咽喉科医が呼吸器科外来(外部の病院からバイト)に相談したが、精査・治療の対象外ということで、内科常勤医に相談するようにと言われた、という経緯だった。
昨日は新入院3名がいたので、午前中の診察は難しく、午後に来てもらった。患者さんは案外元気だった。発熱・呼吸困難はなく、食事摂取もできる。酸素飽和度97%(室内気)と良好だった。
画像を確認すると、右肺門部のリンパ節腫脹か肺癌と判断される腫瘤とその末梢側に肺炎様の陰影(閉塞性肺炎?)を認める。患者さんは入院するつもりもなかった。
抗菌薬を1週間分処方して、外来予約を入れた。途中で症状(高熱・呼吸困難)が出た時は入院治療に切り替えると伝えた。患者さんが入院を希望しなかったののあるが、3名の入院(うち2名はDNARとなる病状)と会議2つがあってさらに入院を増やすのは避けたいと言うこちらの希望もあった(大人の事情です)。