goo blog サービス終了のお知らせ 

なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

やっと解熱~急性腎盂腎炎

2021年02月09日 | Weblog

 土曜日の午後10時過ぎに、高熱で動けなくなった78歳女性が救急搬入された。当直の外科医から午後11時に連絡がきて、急性腎盂腎炎として入院させたいと言われた。38℃の発熱はあるが、バイタルとしては問題ない。

 血液培養を出しますか、と訊かれたので、できれば提出をお願いしますと伝えた。抗菌薬はセフトリアキソンを入れて、点滴2本を出してもらうことにした。

 日曜日の朝に病棟に行って、話を聞いた。土曜日に突然悪寒・戦慄が来て、高熱が出現した。ふだんは高血圧症の治療を受けていたが、糖尿病やステロイドなどの内服はなかった。

 白血球20300・CRP9.8と炎症反応の上昇があるが、肝機能検査は正常域だった。胸腹部CTでは肺炎像はなく、右腎臓の辺縁に毛羽立ちが軽度にあるかもしれない。(毛羽立ち自体が有意な所見かどうかわからないとされているが)

 「尿培養に加えて、血液培養2セットをお願いします」の意味で伝えたつもりだったが、尿培養は提出されていなかった。血液培養が1セットだけ出ていた。大腿動脈からの採血で、確かに採血できそうな末梢の静脈がほとんどない患者さんではある。

 夜間に診てもらって、翌朝までの対応をお願いしているので、文句は言えない。自分でやれ、ということになってしまう。

 日曜日の午後には体温40℃まで上昇して病棟から連絡がきたが、血圧は安定していた。3日は高熱が続くのだろうと予想していた。月曜日に37℃後半から38℃になり、今日は36℃台になってきた。日曜日から少し食べるようになり、月曜には食事摂取が良好になってきた。

 1セットだけの血液培養からグラム陰性桿菌が検出されたと細菌検査室から報告がきた。大腸菌だろうか。市中感染でもESBLが出る時があるが、セフトリアキソンで大丈夫のようだ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする