なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

間質性肺炎にCOVID-19

2024年05月15日 | COVID-19

 5月14日(火)にグループホームに入所している90歳代後半男性が発熱・呼吸困難を訴えているので診てほしい、と診察依頼がきた。

 1月に当院に肺炎で入院していた。最初他の先生が肺炎(細菌性として)で入院させたが、不穏がひどくて数日で退院になった。3日後に再受診して当方が担当で再入院となった。

 4年前の胸部CTで両側下肺野胸膜測に軽度の間質性肺炎像があった。間質性陰影が広がっていて、間質性肺炎の急性増悪だった。プレドニン30mg/日で開始して、幸い症状は軽快した。

 とにかく認知症のBPSD(暴言・暴力)がひどく、間質性肺炎の治療というよりは、向精神薬の調整(使用できる種類全部)をしたという印象が強い。

 プレドニンを漸減して、退院後はグループホームに入所していた。これまで総胆管結石による急性胆管炎で、地域の基幹病院消化器内科に何回もお世話になっている。4月にも再発して、土曜日の日直だった先生がまた紹介していた。

 無事退院して、5月8日に当院外来を受診していた。プレドニンを2.5mg漸減して12.5mg/日にしていた。

 

 症状を聞いて、間質性肺炎の増悪か、誤嚥性肺炎など細菌性肺炎の併発を想定した。発熱外来扱いになるので、コロナとインフルエンザの迅速検査から検査を開始した。すると、コロナ陽性だった。

 胸部CTで見ると、改善していた間質性陰影が広がっていた(右肺上下葉、左下葉)。白血球6500・CRP8.8なので、白血球増加がみられない点ではウイルス性らしく、またウイルス性としてはCRPが高い。

 酸素飽和度が80%台に低下していて、すぐに酸素吸入を開始した。レムデシビル(ベクルリー)点滴静注とステロイド(抗菌薬も入れる)で頑張るしかない。

 入院時はぐったりしておとなしくしていたが、点滴が始まると、また不穏が困るかもしれない。

 COVID-19の患者さんがすでに2名入院していて、3人目はちょっとと最初病棟に断られた。入院のうち一人は翌日退院予定なので、その点などをつついたりして、何とか引き受けてもらった。

 

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