なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

誤嚥したばかりの肺炎

2024年05月21日 | 呼吸器疾患

 5月18日(土)の当直の時に、午後5時半過ぎに救急要請が入った(午後5時15分で日直と交代)。

 施設に入所している96歳男性の血圧低下、酸素飽和度低下だった。昼食後に何度か食残を嘔吐していた。そのまま様子を見ていたが、しだいに酸素飽和度が低下して、血圧も低下したために救急要請していた。

 酸素吸入は6L/分で行っていた。血圧が60mmHg台と低下しているので、救急隊が点滴をしましょうかという。点滴をお願いしたが、これは後で後悔した。(救命士に対する医療行為の指示は、地域の基幹病院から出ることになっている。)

 搬入されると末梢血管が虚脱して、点滴が入らない。血管が見えそうな2か所は救命士が試みて失敗していた。若い当直の看護師が点滴できず、残っていた日直の看護師も手伝ったが、なかなか入らない。

 エコーを持ってきて、CVカテーテルラインを入れようと大腿静脈を見始めると、手術室の看護師さんが感触だけでうまく入れた。点滴を全開で入れて、90mmHgになったところで、画像検査を行った。

 両側肺野にまだ淡い浸潤影が広がっていた。誤嚥性肺炎の初期像だった。

 その後、病棟に上がるといったん100mmHgまで上がった血圧が70mmHgになったりして、輸液の調整を行ったりした。翌日には搬入時虚脱していた末梢血管が見えるようになって来た。(別の部位に点滴を入れ替えていた)

 

 施設から病院搬入まで15分くらいなので、救急車を停めた状態で点滴をしてもらうより、そのまま病院にっ直行で来てもらえばよかった。(救命士の点滴は上手ではない。)

 今度いわれた時は、穿刺しやすい血管が5か所くらいあったら、1~2回は点滴を試みていいとしよう。点滴が困難そうな血管しかなく、1回で入れる自信がない時はそのまますぐ病院に来てもらう。

 トレーニングは救命士同士でやるので、点滴困難な高齢者や肥満者ではやっていない。まして血圧低下で血管虚脱の患者さんなどは場数を踏まないと難しい。

 救命士は点滴の実習で病院に来る。看護師さんは何か所か点滴できる血管のある患者さんだと、(失敗してもいいので)救命士にやってもらうが、難しそうな時はさせない。(もちろんショックの患者さんではトレーニングどころではないのでさせない。)

 

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