なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

魚骨が腸に刺さった

2023年12月06日 | 急性腹膜炎

 12月4日(月)は新患受診が多かった。大学病院からの応援医師が担当だったが、再来も診つつの外来で対応ができなかった。その日内科再来を診ていた当方と、別の内科医2名も呼ばれて分けて担当していた。

 最後に呼ばれた先生は、内科クリニックから紹介された腹痛の56歳女性を担当した。11月17日ごろから心窩部痛(軽度)があり、クリニックを受診した。腹部所見には乏しく、PPIを処方したそうだ。

 その後、11月29日にも受診したが、やはり腹部所見には乏しいと判断していた。そこから症状が悪化して、再々受診をした。筋性防御はないが反跳痛があると判断されて、当院紹介となった。

 こちらでも腹部所見は同様と診断された。腹部CT(単純)で小腸の一部に周囲の脂肪織の炎症像があった。腸管内に石灰化のような細いものがある。腸管壁を突き抜けているようだ。魚骨と思われた。

 症状が出る前にあら汁を食べいたそうで、やはり魚骨らしい。魚骨の穿孔による小腸周囲の限局性腹膜炎ということになる。

 地域の基幹病院は受け入れできず、県庁所在地にある市立病院へ搬送となった。硬膜下血腫に続いて、お世話になることになった。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

S状結腸穿孔

2023年10月08日 | 急性腹膜炎

 10月6日(金)に地域の基幹病院外科から紹介した患者さんの診療情報提供書が来ていた。最近紹介した患者さんはいたかなと思いながら、封筒を開けた。患者さんは、2月1日にS状結腸穿孔による急性腹膜炎として救急搬送した52歳女性だった。

 当時在籍した内科の若い先生(自治医大義務年限で2年間勤務してくれた女性医師)が急性腸炎として入院としていたが、画像を確認して上記疾患と判断した。応援の外科医師に相談して搬送していた。(画像は以下の通り)

00826685.SN000002.IN000059.AN000002.JPG00826685.SN000005.IN000023.AN000002.JPG00826685.SN001000.IN000030.JPG

 

 搬送した日に緊急手術(ハルトマン手術、腹腔洗浄ドレナージ)を行っていた。「穿孔の原因は不明で特発性と考えられた」ということだった。術後肺炎や抗菌薬に対する薬疹などがあったが、2月25日に退院していた。

 8月4日にストーマ閉鎖目的に入院して、8月8日にストーマ閉鎖術を施行された。術後麻痺性イレウスがあったが、自然に軽快して8月20日に退院している。退院後の外来診察で特に問題はないが、術後1年までは外来で経過をみるそうだ。

 

 結腸穿孔による腹膜炎だと二期的手術になるのだった。当方が診察して応援の外科医に相談して紹介するまで、対応した時間は1時間未満だろう。(紹介したことを忘れていたし)

 その後の治療はこれだけのことを要していた。ありがとうございました。いつも助けていただいて、感謝しています。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする