昨日の水曜日の内科新患を、呼吸器科外来(外部の医師担当)に通院している92歳男性が腹痛・嘔吐で受診した。COPDで在宅酸素療法を受けている。喘息症状もあって、ACOS相当らしい。
担当していた内科の若い先生に、「急性膵炎でした」と相談された。飲酒はしていない方で、これまで膵炎の既往はなかった。
白血球7500・CRP0.8と炎症の初期像相当のわずかな炎症反応上昇だった。肝機能は正常域で、血清アミラーゼが721と上昇していた。
腹部CTで膵頭部の腫脹があり、十二指腸下降脚に及んでいて同部の腫脹のようにも見える。胆道系の拡張はなさそうで、総胆管結石はCT上は認めなかった。
急性膵炎は基本的にアルコール性か胆石性(総胆管結石)で、胆石だと内視鏡的摘除が優先される。幸いMRIの検査は予約が途切れたところで(お昼だった)、MRCPができるという。
MRCPの結果は総胆管結石は認めず、膵炎の原因は不明だった。十二指腸傍乳頭憩室に食物が詰まっても起きるが、なさそうだ。あとは総胆管結石がいったん嵌頓してうまく排石した後、というのもあるが推定になる。
バイタルに問題はないので、当院で保存的に治療して経過をみることにした。今日は腹痛もなく、治まっているようだ。
新型コロナウイルスのワクチンの接種希望調査を今週している。他の病院に比べてなんだか遅いのではないか、という声もあった。
今後のことはわからないが、インフルエンザにように毎年その時の変異株に合わせたコロナワクチンを打つようになるのだろうか。