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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血液培養①~グラム陽性桿菌

2021年02月12日 | Weblog

 67歳男性が火曜日に発熱外来を受診した。前日午後から発熱があり、当日午前5時に悪寒戦慄が出現していた。ふだんは糖尿病・高血圧症で当院の糖尿病外来(外部の医師担当)に通院して、血糖コントロールは良好だった。

 新型コロナウイルス抗原定性検査とインフルエンザ迅速試験は陰性で、発熱外来を担当していた外科医から内科に診療依頼がきた。内科の若い先生に担当してもらった。

 白血球4300・CRP7.3と炎症反応が軽度に上昇していた。他の生化学検査は異常がなく、尿所見も異常なしだった。相談されて、血清PSAの追加(前立腺炎疑いだったが、正常域だった)、血液培養2セットと尿培養(尿所見はないが)を追加してもらった。

 すでに心エコー検査はしていて、経胸壁だが明らかな疣贅は指摘されなかった。そもそも心雑音は聴取されなかった。

 胸腹部CTで所見はなく、膿瘍検索のため造影CTも追加したが、有意な所見はなかった。発熱以外の症状はほとんどなかったが、少し腰痛が少しあるという。叩打痛はなかった。腰椎MRIも追加して、放射線科の読影レポートで椎間板炎疑いとされたが、同部位に身体所見はない。

 症状からは菌血症を来している可能性が高い。培養提出後にセフトリアキソンを開始することにした。

 翌日血液培養2セットからグラム陽性桿菌が検出されたと報告がきた。陽性桿菌は何があった?、と思ってしまう。グラム陽性桿菌は、リステリア、バチルス・セレウス、コリネバクテリウム、アクチノマイセス、ノカルジア、クロストリジウム、ペプトストレプトコッカスなどになる。

 入院後は解熱して炎症反応も軽減していた。セフトリアキソンは効いているようだ。その後、細菌検査室から連絡がきて、当院(の検査)ではグラム陽性桿菌とまでしか判定できないという。菌名が確定するかどうかわからないが、外注検査(SRL)に出してみることにした。

 昨年12月に歯科処置(メインテナンスのみ)してもらっていた。1月には入れ歯の支えの歯が抜けて出血したが、すぐに止血したので受診はしていなかった。

 大学から呼吸器外来に来ている感染症の専門医にも相談したが、菌名がわからないのでコメントもできない。とりあえず血液培養を再検して、陰性化から2週間点滴静注で抗菌薬を投与するように言われた。

 いったい、どんな病態なのだろうか。

 

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