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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

夫がアナフィラキシーショック

2021年02月27日 | Weblog

 23日火曜日(祝日)は消化器科医が日直をしていた。腹痛の90歳女性が当番医からの紹介で救急外来を受診した。

 血液検査は白血球12800・CRP0.0と炎症初期像を呈し、著明な肝機能異常を認めた(AST 396・ALT 250・ALP 500・γ-GTP 100・総ビリルビン2.8)。

 腹部単純CTで総胆管内の複数の結石を認めた。診断は総胆管結石と急性胆管炎と容易についた。地域の基幹病院消化器内科は満床で受け入れができず、いったん当院に入院してベット待ちとなった。

 入院後に肝機能はさらに上昇して、AST・ALTが600台で総ビリルビンは5.0になっていた。MRCPも行って、総胆管内の結石が描出された(CTだけでもわかるが)。幸い木曜日に先方の病院に内視鏡治療目的で転院となった。

 

 消化器科医は造影CTも施行したかった。患者さんにその話をすると、夫が12年前に造影CTでアナフィラキシーショックになり亡くなったという。そう言われて、造影検査はやめたのだった。

 確かに以前、造影剤のショックで亡くなったということがあった。かかわっていないので詳細は不明だが、泌尿器科(非常勤医)でオーダーされた造影CT検査だった。

 救急当番だった外科の若い先生が対応して、アドレナリンを含む治療が懸命になされたが、残念ながら反応しなかった。事故調査委員会などが持たれたはずだが、当時は役職についていないので、その後の病院の対応もわからない。

 自分がかかわった造影剤検査は蕁麻疹や嘔気・嘔吐までで、血圧低下・ショックはなかった。いつ起きてもおかしくはないので、適応を慎重に見定めることと、起こった場合の対応を準備しておくことが重要だ。

 

コメント (1)
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