なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

前胸部の皮疹

2023年10月19日 | 腸閉塞

 10月18日に糖尿病・高血圧症・高脂血症で通院している77歳女性が受診した(定期の予約日)。HbA1cは6%台後半で推移していて、その日はHbA1c6.7%だった。

 3か月前に右前胸部(乳房部)に細かな皮疹(丘疹状紅斑)が散在して、チクチクしていたそうだ。まだ皮疹の後が薄く残っている。

 1週間前からは左前胸部(乳房部)に同様の皮疹が出現して、チクチクするのも同じだった。水疱ではなく、痂疲にもなっていない。肋骨に沿っているといえなくはない。

 患者さんとしては、これは帯状疱疹ではないでしょうかというのが一つ、それと帯状疱疹ワクチンを接種した方がいいでしょうかというのが訊きたいことだった。

 症状と部位は帯状疱疹様ではあるが、皮疹が違うように思える。皮膚科外来に連絡すると、診てくれるというので他科紹介とした。

 お昼に皮膚科医と食堂でいっしょになったが、「あれは帯状疱疹ではないでしょう」ということだった。通常の湿疹としてステロイド軟膏が処方されていた。

 

 患者さんは帯状疱疹ワクチンのCMを見たそうだ。確かに盛んに宣伝している。「チクチクします」というのは、CMでやっていた症状をいっているのかもしれない。

 皮膚科医は、当院の院内薬剤としては帯状疱疹ワクチンは入れていない。値段が高くてあまり希望者がいないだろうから、という理由だった。22000円が2回で44000円になる。

 皮膚科医自身は、市内のワクチンを扱っているクリニックで帯状疱疹ワクチンを受けてきている(2回接種済み)。

 当方は2012年に帯状疱疹が出た(左前胸部から側胸部)。感染症学会と化学療法学会の合同学会が東京ドームで開催されて、参加している最中に症状が出た。痛痒い感じで、痛みとしては強くはなかった。学会から帰って来て、病院で日直をしていて外科医(当時)にバルトレックスを処方してもらった。

 気づくとすでに10年以上経過していた。帯状疱疹ワクチンを接種すべきなのだろう。

 

帯状疱疹ワクチンのご案内 | 医療法人聖俊会 樋口病院

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腸閉塞

2023年10月09日 | 腸閉塞

 10月4日に記載したS状結腸癌の83歳男性は、3日から腹部膨満と間欠的腹痛が始まった。4日の午後に予約外で当院を受診した。

 がんセンターではS状結腸癌の進行で腸閉塞になる可能性があると説明されていた。そういわれると、以前なかった便秘傾向を自覚するようになっていた。

 その日がんセンターに連絡すると、まずは近医を受診するようにといわれたそうだ。近医は当院になる。

 腹部が膨満して、全体的に軽度の圧痛があった。嘔気はなく、水分はとれる。聴診すると金属音が聴取された。腸閉塞を来しているようだ。

 腹部単純X線では立位でニボーを認める。腸管の拡張・消化液の貯留程度を見るために、腹部CT(単純)を行った。S状結腸の口側の腸管が拡張してガス貯留が目立つ。消化液貯留はそれほどではなかった。 

 部位的には肛門側からのドレナージがいいのだろうと思うが、当院ではできない。(器具を取り寄せれば消化器科医がやるが、病状として当院入院にはできない)

 地域医療連携室からがんセンターに診療情報提供書を送ってもらって、翌日の受診予定となった。

 

 その日は認知症の妻がデイサービスから戻って来るので、外来での点滴もできない。がんセンター受診は、県庁所在地在住の弟が来てくれているそうだ。前回の入院時は妻をショートステイに預けていた。今回もがんセンターは入院準備をして受診するようにといってくれているので、また預けるしかないだろう。

 

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