なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

慢性呼吸不全ではある

2019年04月20日 | Weblog

 今週の火曜日に地域の基幹病院呼吸器内科から83歳女性が転院してきた。慢性呼吸不全で在宅酸素療法が導入されることになり、自宅での生活へ向けてのリハビリ目的だった。

 小柄なぽっちゃりとした方で、とりあえずナースステーション近くの病室に入院したが、認知症もなく、病棟の奥側の病室でもいいようだ。これまでも同様の転院が何例もあったが、大抵は高齢男性のCOPDの患者さんで、肺炎による増悪後の体力回復・リハビリ目的だった。この患者さんは喫煙歴がない。

 住所は隣町の山間部で、酪農家をしている。現在は息子さんと二人暮らしだった。60歳代前半までは自身も牛の乳搾りをしていたそうだ。昨年までは高血圧症で町の病院に通院していたが、特に問題なく過ごしていた。今年になってから労作時の息切れが始まり、先月初め(日曜)に症状が増悪した。自宅の車で先方の病院の救急外来を受診して、低酸素血症で入院した。

 酸素投与でCO2ナルコーシスになって、NPPVを1週間使用していた。胸部X線・CTで部分的に気管支の不整な拡張像と粒状影・浸潤影があった。検査でアスペルギルスとmycobacterium aviumが検出されて、前者は抗真菌菌薬投与で肝機能障害をきたして治療中止となり、後者は経過観察のみになっていた。

 送られてきた肺の画像ではそれほど低酸素になるのか、という印象だった。慢性的な感染症でしだいに肺機能が低下してきたと考えるしかないのだろうか。心エコーではEF71%と良好だったが、TRPG41mmHgと高めだった。慢性血栓塞栓症などもあるのだろうか。

 約1か月のリハビリをして、HOTによる在宅療養になる予定だ。外来は町の病院ではなく、基幹病院の呼吸器内科に戻したほがいいだろう(たぶん通院時間は同じくらい)。

 認知症のない、リハビリ目的の入院は大歓迎だ。昨日は内科病棟の歓迎会で、今年度の内科専攻医(地域医療枠で医療センターから派遣)の先生は独身なので、ちょっと若い看護師さんの間で盛り上がっていた。終了後は内科当番なので、病院に戻って待機していたが、幸い内科新入院はなかった。

 

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