なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

18歳の肺炎

2019年04月18日 | Weblog

 先週金曜日の夕方、肺炎の18歳男性が内科クリニックから紹介されてきた。就職先の研修で関東圏に行っていて、1週間前から症状があっても受診できなかったそうだ。

 外来で診察した内科の若い先生(内科専攻医)から相談された。患者さん本人は、1週間後にまた研修があるので入院したくない、と言っていて、どうしましょうかという。それは付き添ってきた母親に説明して、びしっと入院しなさいと言ってもらったので問題なかった。

 次に、抗菌薬をどうしましょうか、という。非定型肺炎を気にしていた。白血球数16600・CRP28.4と高値だった。湿性ラ音(coarse crackles)も聴取される。迅速試験は肺炎球菌・レジオネラ・マイコプラズマいずれも陰性だった。

 胸部X線・CTでは、右上・中・下肺野と左下肺野に浸潤影を認めた。ずいぶん被害が出たものだ。酸素飽和度は良好で、酸素吸入は不要だった。

 細菌性肺炎としてセフトリアキソンで治療していいと思うが、クラリス内服をかぶせるかどうか。喀痰培養が出たので、検査技師さんにグラム染色でみてもらうことにした。30分ほどして、グラム陰性桿菌でインフルエンザ桿菌かモラキセラだと思いますという報告がきた。セフトリアキソンだけで開始した。

 入院後は解熱して、翌々日からは食欲も回復していた。月曜日にはCRP8.5、今日は4.9と低下している。喀痰培養の結果、インフルエンザ桿菌もモラキセラではなく、起炎菌としては証明できなかった。

 

 今年も医療センターから内科専攻医を地域医療枠で派遣してもらえた。自治医大出身で義務年限があるので、県の指示で1年間いてもらえる。今年も何とか内科診療をやっていけそうだ。

 

 

 

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