なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胆石性胆管炎

2019年04月21日 | Weblog

 3月21日(春分の日)の日直の時に、発熱・腹痛の91歳男性が救急搬入された。血液検査と画像検査で総胆管結石・胆管炎の診断は容易だったが、当院では対応できない。CTで総胆管の中部に結石2個を認め、末端には結石1個が嵌頓していた。鎮痛薬でも腹痛がとれない。

 総胆管結石・胆管炎の紹介先としては、一番近い地域の基幹病院・消化器病センターのある病院・胆膵疾患で定評のある病院の3か所が候補に挙がる。

 その日別の総胆管結石・胆管炎の患者さんもきていた。その患者さんを診ていた外科の先生が、先に連絡して、まず地域の病院は受け入れできず、その後連絡した消化器病センターのある病院に搬送となった。あとは最後の病院しか残されていない。かなり遠方になり、ここしばらくは搬送していなかった。どうなるかと思いながら、連絡すると快く引き受けてもらえて、ありがたくすぐに搬送した。

 

 そちらの病院から返事の診療情報提供書がきていたが、かなりすごいことになっていた。搬送時にはバイタルは保っていたが、先方に到着した時には敗血症性ショックとなり、血圧が低下していた。ノルアドレナリン投与の病状で総胆管結石の内視鏡治療はできず、緊急避難的にPTGBD(胆嚢ドレナージ)を行ったそうだ。

 その後に内視鏡治療を行ったが、全身状態から乳頭切開・総胆管結石切石術まで行う余裕はなく、胆管ステント挿入にとどまった。もともと慢性心不全(相当な心拡大)と慢性腎不全があり、胆管炎をきっかけに悪化していた。

 腎センターのある病院に相談したところ、そちらで治療してもらえることになり、転院になったという経緯だった。引き続き紹介先の病院と連携して治療を行って参ります、と記載されていて、すごく立派な対応なのだった。大変なお手数をおかけして、申し訳ありません。

 外科の先生が搬送した患者さん(93歳男性)はバイタルが安定していて、次の日には内視鏡的治療を受けて、数日で退院になったという報告がきていた。

 

 

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