なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

戻ってきて、すぐけいれん

2019年04月24日 | Weblog

 先週けいれん重積状態で地域の基幹病院脳神経内科に送った48歳男性が、けいれんが治まって戻ってきた。

 抗てんかん薬を調整していて、これで継続してくださいと診療情報提供書にあった。当院に搬入された時からあった仙骨部褥瘡が悪化したため、処置治療が必要だった。また精神遅滞があってこれまで自宅で兄弟が世話していたが、今後の福祉サービスの調整もつける必要があった。

 介護タクシーで来た時はしっかり開眼していて、(おそらく)ふだんの状態に戻っていた。もっとも、転院前は意識障害で救急搬入されて、非けいれん性てんかん発作が疑われて、一時的に意識がある程度戻った後はけいれん重積状態になったため、ふだんの状態は初めて見る。

 転院してきてすぐから、ミオクローヌスのような四肢のピクッという動きがあって気になっていたが、昼食後から四肢のけいれん・口唇の不規則な動き・眼球の偏移が始まり、意識消失していた。ちょうど外来診察の終わった神経内科医に連絡して、診てもらった。

 緊急で脳波検査を入力して、検査後は内科病棟から神経内科病棟に移ることになった。今日もまた意識が戻ったとは言えない状態らしいい。転院前に起きれば、転院は延期になったはずだが、何ともタイミングが悪かった。

 

 昨日内科クリニックから、84歳男性が心不全の悪化で紹介されてきた。1週間前から肺炎のため連日外来で抗菌薬を投与していたそうだ。解熱して炎症反応も陰性化したが、胸部X線で左胸水(右も少量)が出てきた。もともと心房細動があるが、その日の心電図ではnarrow QRSが規則的に出現して、P波もf波もなかった。心拍数は44/分の徐脈を呈していた。

 バイタルは問題なく、酸素飽和度は97%(室内気)と良好だった。食事摂取もできる。BNPは以前と比べて倍に増加していた(200から400)。循環器科医に相談すると、その日循環器科で5名の入院があり(そんなに多いのは初めてだろう)、明日の入院にしてほしいという。

 最初は「徐脈ですね~」ということだったが、後で「完全房室ブロックです」と言われた。房室結節より上部(心房内)でブロックがあり、補充調律として房室結節リズムが出ていると読むらしい。

 

 

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