なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

神経性食思不振症か

2019年04月19日 | Weblog

 25歳女性が転倒して、左膝痛と左股関節痛を訴えて昨日整形外科を受診した。整形外科の外来は大学病院からバイトで来ている先生だった。MRIで左大腿骨頸部の不全骨折疑いと診断されて、整形外科の常勤医に連絡jがいった。

 入院を勧められたが、入院はどうしもいやと拒否した。自分で車を運転して来ていた。松葉杖を出して経過観察とするしかなかったが、それとは別に著しいるい痩があった。血液検査で軽度貧血(Hb9.2g/dl)はまだしも、低蛋白血症・低アルブミン血症(2.5g/dl)がひどい。主に内臓損傷・骨折をみる目的で撮られたCTで腹水貯留があった。

 そこで内科の若い先生が呼ばれた。詳しい問診の結果、精神的な問題で拒食があると判明した(自覚はある)。身長150cmで体重26Kgで、無月経になっている。やはり入院はしたくないという。どうしましょうかと、相談されたが、神経食思不振症では当院に入院してもとても対応はできない。

 まずネフローゼではないか気になったが、4年前に受診した時にもすでに低蛋白血症になっていた。外来で診た先生(その後退職)が尿蛋白定量を提出していてネフローゼではなかった。栄養の指標である脂質やChEが低値で病態が違う。スキルス胃癌かとも思ったが、4年間は継続している病態であり、違うのだろう。

 すでに、死亡に至る可能性があり、とても心配な病状であることは伝えていた。あとは精神科につなげるしかないが、果たして受診するだろうか。精神科ならどこでもいいというわけにはいかない。扱える病院は限られてくる。精神科への紹介状を出すことにして、それは受け取ってくれるという。

 

 以前中年女性の神経性食思不振症の患者さんがいて、内科の先生が診ていた。入院して高カロリー輸液をしていて、当時では珍しいCVポートを挿入していた。その先生が退職した後は、受診した時に内科外来で診た医師が対応していたが、ある程度食事摂取ができていた。最終的にはヘパリンロックだけ繰り返すようになっていたので、不要としてCVポートを抜去した(外科に依頼して手術室で施行)。

 

 

 

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