なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

どんな筋炎?

2019年04月01日 | Weblog

 2月半ば過ぎに、急に発熱・筋肉痛・筋痛が出現した86歳男性が救急搬入された。ウイルス性筋炎という根拠もなかったが、多発性筋炎ではないのだろうと、点滴とアセトアミノフェン(CKDがあり、NSAIDは使えない)で経過をみるつもりだったが、入院後も高熱が続き、CKが搬入時よりも上昇して6227となった。

 ステロイド(プレドニン40mg/日)を使用して、解熱軽快した。どのくらいで投与量・投与期間が好ましいのかわからなかったが、1週間おきに漸減した。

 外注の抗核抗体・抗ARS抗体は陰性だった。プレドニンを10mg/日に減量したところで、陰性化していたCRPがかすかに上がった。世手御と通りに7.5mg/日にするとCRPがはっきり上がった。いったん15mg/日に戻して(10mg/日で足りなかったらしいので)経過をみている。

 両上肢の筋力低下は目立たないが、両下肢の筋力低下があり、歩行はできるがADLはだいぶ下がっている。入院が長くなったので、そろそろ退院したいそうだ。

 これはいったいどういう筋炎なのか。マーカーが陰性の多発性筋炎としても発症が急すぎる(ほぼ1日)。壊死性ミオパチーというのがあって、保険のきかない抗体検査をする必要がある。ただプレドニンくらいではなかなか治らないらしいので、その点では違うのか。ステロイドが効いたということでは、封入体筋炎ではない。慎重にプレドニンを漸減して経過をみるしかないか。

 

 昨日に日曜日は膵頭部癌・膀胱癌の患者さんたちが亡くなって、今日は胆管癌の患者さんが亡くなった。(高次病院から依頼された)終末期医療・緩和ケアで、看取りになるのはやむを得ないが、想定より予後が悪いとがっかりしてしまう。

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