なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

こうなると急性肝炎

2019年04月04日 | Weblog

 1週間高熱が続いて、1週間前に紹介されてきた21歳女性のその後の経過。

 咽頭の所見に乏しく、頸部リンパ節腫脹が目立たなかった。毛血液検査では、白血球数6300・リンパ球61%・異型リンパ球6%で、肝機能障害(AST 140・ALT 91・LDH 865・ALP 283・γ-GTP 58)を認めた。腹部エコーで肝脾腫があった。伝染性単球症と判断された。

 EBV・CMVの外注検査を提出して、食欲不振が続いていることから入院治療となった。血清フェリチン2374が気になった。入院後は点滴とアセトアミノフェンで自然経過をみることにしていた。発熱が続くのは想定内だったが、今週月曜日の検査で肝機能の悪化を認めた。

 AST 750 ・ALT 681・LDH >1000・ALP 1103・γ-GTP 431で、これはもう急性肝炎だった。EBVの検査は、VCAIgGとEBNAが陰性で、VCAIgMが(±)だった。畏敬リンパ球16.0%でいかにも伝染性単核球症らしい。ほとんど食事はとれなかった。

 ステロイド(プレドニン30mg/日)を使用することにした。翌日には解熱して、その翌日からは普通に食事摂取できるようになり、点滴は中止した。今日は、AST 206 ・ALT 416・LDH 618・ALP 1080・γ-GTP 457とまだ高値だが、前回よりは改善している。入院時の血小板数が11.3万と低下していたが、15.2万になった。PTは正常域で低下はしていない。HAV・HBV.HCVはいずれも陰性だった。

 EBVの外注検査を再度提出した。来週の月曜日に検査予定を入れた。ステロイドの使い方に決まりはないので、反応をみながら一定期間は同量で継続して、漸減していくしかない。使用しないという方針もあるのだろうから、意見は分かれるか。

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする