なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

偽痛風(頸椎・肩・膝)

2019年04月11日 | Weblog

 昨日透析担当の看護師長さんから連絡が入った。父親である82歳男性が発熱が続いて、動きが悪くなっているという。外来日ではないが、明日診てほしいという依頼だった。

 今日受診してきた患者さんは、見たところ元気そうだった。外来の看護師さんが知っていて、認知症で入院になると大変ですよと、入院歴からの情報を教えてくれていた。

 生年月日はなかなか出てこなかったが、何度か家族が訊き返すと、月日は出てきた。年令は言えない。奥さんの名前が言えるが、看護師の娘さんの名前が出てこなかった。娘「名前もわからないなら家に行かないよ」、父「(名前を忘れるのは)あんまり家に来ないからだ」という会話があった。

 症状は1週間前から左肩関節と左膝関節の痛みと運動制限、そして首が痛くて回らないというものだった。感染症ではなく、関節炎のようだ。早速検査を行った。

 白血球数12600と上昇していた。胸部X線で肺炎はなく(気道症状はなく、SpO2正常域)、尿混濁もなかった。腹痛はなく食欲良好で、肝機能も正常で胆道感染でもない。

 膝関節内と肩関節内の石灰化を認めた。頸椎CTで軸椎の歯突起周囲にも石灰化がある。これは問診で想定した通り、偽痛風でいいようだ。娘さんは入院も考えていたようだが、まずはNSAIDで経過をみるので、外来治療とした。

 

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