金丸座『第二十七回 こんぴら歌舞伎 第二部』 上場席(A席)上手升席後方
6年ぶりのこんぴら歌舞伎です。金丸座はやはりとても素敵な小屋です。とても楽しかった。また行きたいです。
『御存 鈴ヶ森』
紅顔の美少年が小汚い雲助たちの立ち回りをコミカルに時にグロテスクにみせる歌舞伎独特のちょっと不思議な雰囲気をもった演目。梅玉さんと幸四郎さんがさらりと軽やかに見せました。二人ともお若いです。
白井権八@梅玉さん、当たり役です。前髪の若衆姿がいまだにお似合い。今回は浅黄色の着物で金丸座独特の薄暗い舞台に映えます。さすがに少年という感じではありませんが浮世離れした雰囲気でさらりと人を切っていく様がなにやら不思議な面白さ。
幡随院長兵衛@幸四郎さん、若々しくカッコイイです。白井権八を懐深く受け入れるというより面白い男がいるなと興味津々な様子で引き受けるといった風情。幸四郎さん独特な軽みのある粋な幡随院長兵衛でした。
雲助たちの身体をよく動かしていての立ち回りが楽しい。何気に贅沢な配役だったようなんだけど小汚い拵えなので判別が難しい。
『藤娘』
前幕の闇のなかの舞台『鈴ヶ森』からの対比が良いですね。チョンパで開いた舞台の華やかで明るいこと。大きな藤の木のたもとに華やかな衣装の藤娘が後姿で立っている、その絵面に観客からどよめきが漏れました。
藤娘@芝雀さんがまたなんとも言えない愛らしさ。品があって楚々としてまるで少女のよう。ちょこちょこと歩く姿と可愛らしく首を傾げての三方へのご挨拶のなんてラブリーなこと。丁寧に愛らしく恋模様、酔態を踊っていきます。しなやかさは無いのですが、ふんわりとした空気感があって華やか。女のいじらしい心持ちが伝わってきます。にしても本当に可愛い…お人形にしたいくらい。
『湧昇水鯉滝 鯉つかみ』
40年ぶりの復活狂言です。
荒唐無稽な趣向盛りだくさんの芝居。楽しすぎる。久しぶりに心の底から笑い楽しみました。染五郎さん、やりたい放題。金丸座を思い切り使った演出が最高です。これはもう1回観たい。とはいえ今回の「鯉つかみ」は金丸座だからこそ、じゃないとな演出だから他の劇場が無理でしょうねえ。蛍にしろシルクドソレイユな宙乗りにしろ、早替わり後の爆走にしろ。それにしても楽しかった。臨場感溢れる舞台に観客の皆が楽しくてニコニコ。拍手がなかなか鳴り止みませんでした。
あらすじはざっと書くと「琵琶湖畔、釣家の小桜姫一行がほたる狩りにやってきてそぞろ歩き。胸が痛むと浮かない小桜姫は侍女の呉竹と二人休んでいる。そこへ湖水の彼方から美しい稚児がやってきて…それは姫が恋焦がれる滝窓志賀之助であった。実はその志賀之助は釣家への積年の恨みを晴らそうとして姫をたぶらかす鯉の精。そうとは知らず釣家屋敷で姫と志賀之助の仲立ちをする呉竹。そこへ姫に輿入れを求める信田家の使いがやってきて。妖刀のおかげで志賀之助が鯉の精とバレ、逃げたところに本物の志賀之助がやってきて鯉退治に乗り出だし、琵琶湖で大乱闘の末鯉の精を退治するのであった。」という感じでしょうか。
鯉の精/滝窓志賀之助@染五郎さん、縦横無尽に小屋を使い体を張っての大活躍でした。観客を楽しませようという心意気と、ご自身が楽しんで演じていらっしゃるのが伝わってきました。その熱気というかエネルギーが身体から立ち上っていて観ている側もとても楽しくエネルギーをいただいたという感じです。活き活きとしていて非常に魅力的でした。
鯉の精の志賀之助の稚児姿は可愛らしくも麗しく。笛を吹きながらの引っ込みはゆらゆらと泳ぐように。蝋燭の面明かりをつかって仁木のような雰囲気。その時に天井からホタルがふわふわと。裏方さんが天井からLED下げて光らせていました。小屋を閉めて真っ暗にした中でなのでとっても幻想的で美しかったです。
第二幕では化けの皮が剥がれたところで井戸に飛び込み、すっぽんからドロンドロンと登場したかと思えば宙乗りに。低い宙乗りですのでそのまま二階部分で見得を切り、矢で射られ今度はクルクルとばく転しながら下がっていき、花道七三で苦しみ縦にクルクル回ったり逆さになったり、ジタバタしながらすっぽんに消えていくのもスペクタクル。かと思えば本物志賀之助に早替わりして金丸座の廊下を爆走。それを東座敷の戸を開けて見せちゃうんです。そして西の仮花道から登場。ちょっと妖しい雰囲気だった偽者から凛々しい若者へと大変身。
第三幕の鯉退治の場では舞台全面青く琵琶湖を模しています。花道からなんと板に引かれて泳ぎながらの(笑)登場。大きな鯉との格闘へ。途中、なまずやうどん(笑)やザリガニを間違って掴んでみたり。そんな小芝居挟みつつ、舞台狭しと大格闘。ついには捕まえ大見得切って大団円。身体を張った芝居に観客は大盛り上がり。ドヤ顔もとい、やったぜな染五郎さんの輝いた顔が素敵でした。
また、志賀之助@染五郎さんと大乱闘する鯉ぐるみが可愛い。鯉なのに見得切るんですよ。志賀之助が見得を切ると負けじとば~ったりと(大笑)。また目が動くようになってて目を白黒させたり、染五郎さんとの息もピッタリでとにかく動く動く。中に入っているのは錦二郎さんでした。拍手!
小桜姫@芝雀さん、いかにも赤姫なおっとりといじらしい可愛らしい姫。やはりこういうお役が似合います。
呉竹@高麗蔵さん、姫のためを思い志賀之助との仲立ちを積極的にするキリリとした侍女役でとても素敵でした。
釣家を守る家老の篠村次郎@東蔵さんが舞台を締め、敵役の堅田刑部@門之助さん、栗津郷右衛門@猿弥さんが少ない出番ながらピリリと効かせておりました。
6年ぶりのこんぴら歌舞伎です。金丸座はやはりとても素敵な小屋です。とても楽しかった。また行きたいです。
『御存 鈴ヶ森』
紅顔の美少年が小汚い雲助たちの立ち回りをコミカルに時にグロテスクにみせる歌舞伎独特のちょっと不思議な雰囲気をもった演目。梅玉さんと幸四郎さんがさらりと軽やかに見せました。二人ともお若いです。
白井権八@梅玉さん、当たり役です。前髪の若衆姿がいまだにお似合い。今回は浅黄色の着物で金丸座独特の薄暗い舞台に映えます。さすがに少年という感じではありませんが浮世離れした雰囲気でさらりと人を切っていく様がなにやら不思議な面白さ。
幡随院長兵衛@幸四郎さん、若々しくカッコイイです。白井権八を懐深く受け入れるというより面白い男がいるなと興味津々な様子で引き受けるといった風情。幸四郎さん独特な軽みのある粋な幡随院長兵衛でした。
雲助たちの身体をよく動かしていての立ち回りが楽しい。何気に贅沢な配役だったようなんだけど小汚い拵えなので判別が難しい。
『藤娘』
前幕の闇のなかの舞台『鈴ヶ森』からの対比が良いですね。チョンパで開いた舞台の華やかで明るいこと。大きな藤の木のたもとに華やかな衣装の藤娘が後姿で立っている、その絵面に観客からどよめきが漏れました。
藤娘@芝雀さんがまたなんとも言えない愛らしさ。品があって楚々としてまるで少女のよう。ちょこちょこと歩く姿と可愛らしく首を傾げての三方へのご挨拶のなんてラブリーなこと。丁寧に愛らしく恋模様、酔態を踊っていきます。しなやかさは無いのですが、ふんわりとした空気感があって華やか。女のいじらしい心持ちが伝わってきます。にしても本当に可愛い…お人形にしたいくらい。
『湧昇水鯉滝 鯉つかみ』
40年ぶりの復活狂言です。
荒唐無稽な趣向盛りだくさんの芝居。楽しすぎる。久しぶりに心の底から笑い楽しみました。染五郎さん、やりたい放題。金丸座を思い切り使った演出が最高です。これはもう1回観たい。とはいえ今回の「鯉つかみ」は金丸座だからこそ、じゃないとな演出だから他の劇場が無理でしょうねえ。蛍にしろシルクドソレイユな宙乗りにしろ、早替わり後の爆走にしろ。それにしても楽しかった。臨場感溢れる舞台に観客の皆が楽しくてニコニコ。拍手がなかなか鳴り止みませんでした。
あらすじはざっと書くと「琵琶湖畔、釣家の小桜姫一行がほたる狩りにやってきてそぞろ歩き。胸が痛むと浮かない小桜姫は侍女の呉竹と二人休んでいる。そこへ湖水の彼方から美しい稚児がやってきて…それは姫が恋焦がれる滝窓志賀之助であった。実はその志賀之助は釣家への積年の恨みを晴らそうとして姫をたぶらかす鯉の精。そうとは知らず釣家屋敷で姫と志賀之助の仲立ちをする呉竹。そこへ姫に輿入れを求める信田家の使いがやってきて。妖刀のおかげで志賀之助が鯉の精とバレ、逃げたところに本物の志賀之助がやってきて鯉退治に乗り出だし、琵琶湖で大乱闘の末鯉の精を退治するのであった。」という感じでしょうか。
鯉の精/滝窓志賀之助@染五郎さん、縦横無尽に小屋を使い体を張っての大活躍でした。観客を楽しませようという心意気と、ご自身が楽しんで演じていらっしゃるのが伝わってきました。その熱気というかエネルギーが身体から立ち上っていて観ている側もとても楽しくエネルギーをいただいたという感じです。活き活きとしていて非常に魅力的でした。
鯉の精の志賀之助の稚児姿は可愛らしくも麗しく。笛を吹きながらの引っ込みはゆらゆらと泳ぐように。蝋燭の面明かりをつかって仁木のような雰囲気。その時に天井からホタルがふわふわと。裏方さんが天井からLED下げて光らせていました。小屋を閉めて真っ暗にした中でなのでとっても幻想的で美しかったです。
第二幕では化けの皮が剥がれたところで井戸に飛び込み、すっぽんからドロンドロンと登場したかと思えば宙乗りに。低い宙乗りですのでそのまま二階部分で見得を切り、矢で射られ今度はクルクルとばく転しながら下がっていき、花道七三で苦しみ縦にクルクル回ったり逆さになったり、ジタバタしながらすっぽんに消えていくのもスペクタクル。かと思えば本物志賀之助に早替わりして金丸座の廊下を爆走。それを東座敷の戸を開けて見せちゃうんです。そして西の仮花道から登場。ちょっと妖しい雰囲気だった偽者から凛々しい若者へと大変身。
第三幕の鯉退治の場では舞台全面青く琵琶湖を模しています。花道からなんと板に引かれて泳ぎながらの(笑)登場。大きな鯉との格闘へ。途中、なまずやうどん(笑)やザリガニを間違って掴んでみたり。そんな小芝居挟みつつ、舞台狭しと大格闘。ついには捕まえ大見得切って大団円。身体を張った芝居に観客は大盛り上がり。ドヤ顔もとい、やったぜな染五郎さんの輝いた顔が素敵でした。
また、志賀之助@染五郎さんと大乱闘する鯉ぐるみが可愛い。鯉なのに見得切るんですよ。志賀之助が見得を切ると負けじとば~ったりと(大笑)。また目が動くようになってて目を白黒させたり、染五郎さんとの息もピッタリでとにかく動く動く。中に入っているのは錦二郎さんでした。拍手!
小桜姫@芝雀さん、いかにも赤姫なおっとりといじらしい可愛らしい姫。やはりこういうお役が似合います。
呉竹@高麗蔵さん、姫のためを思い志賀之助との仲立ちを積極的にするキリリとした侍女役でとても素敵でした。
釣家を守る家老の篠村次郎@東蔵さんが舞台を締め、敵役の堅田刑部@門之助さん、栗津郷右衛門@猿弥さんが少ない出番ながらピリリと効かせておりました。
こんぴらでお目にかかれてうれしかったです。
ありがとうございました。
あの時は、私はまだ「鯉つかみ」を観る前でしたが、観てみて、皆さまが「楽しい!楽しい!」とおっしゃっていたのがほんとによくわかりました。
もう、ほんとに楽しい!(笑)
できることならもう1度、いや、2度でも3度でも観たかったです。
染ちゃんのどや顔にもナットク(^o^)
あ、あの蛍と一緒の花道の引っ込み、私も仁木弾正を思い起こしました。
染五郎さんの仁木も観たいです。
コメントup&お返事遅れてごめんなさい。風邪で絶不調中…こんぴらでハシャギすぎた模様(笑)
ところで、こちらこそお目にかかれてとっても嬉しかったです。いつかお会いしたいなあと思っていたので念願叶いました。本当にありがとうございました。ぜひ次回はゆっくりお話させてください。
「鯉つかみ」は楽しかったでしょう~(^^)。あんなに楽しく歌舞伎を観たのは久しぶりでした。私も1回のみならず2回でも3回でも。うふふ、染ちゃん、完全にどや顔でしたよね。
で、でやっぱりそう思いましたよね<仁木弾正。久しぶりに染ちゃんの仁木弾正が観たくなりました。そろそろまた演じてもいい頃ですよね。ニヒルでかっこよかった。
染ちゃんで観たいお役いっぱいです(^^)