老人と海(1958)
1958年/アメリカ
ヘミングウェイの名作を正攻法で映像化
shinakamさん
男性
総合
80点
ストーリー
85点
キャスト
80点
演出
75点
ビジュアル
80点
音楽
80点
アーネスト・ヘミングウェイの名作を「OK牧場の決闘」(57)などのジョン・スタージェス監督で映画化。主演の老人・サンチャゴをスペンサー・トレイシーが演じ、ナレーションも務めている。カリブの海と朝焼けの美しい映像はジェームズ・ウォン・ハウの撮影。壮大な音楽のディミトリ・ティオムキンはオスカーを受賞している。
老人はメキシコ湾の漁師でいつも彼を尊敬する少年(フィリッペ・パゾス)と漁に出ていたが、少年は両親の言いつけで切り離されてしまう。独りで漁に出ることになった老人は、仕掛けた網にとてつもない重さを感じる。それからはカジキとの3日3晩の死闘が続いて行く・・・。
当初予定していたフレッド・ジンネマン監督が降板したため、J・スタージェスにおはちが回ってきた。ナレーションを交えながら奇をてらわず男の究極のロマンを正攻法で描いている。
若い頃は正直退屈したが、年を取ると主人公に共感できるように。そして老人を尊敬する少年がいじらしい。
S.トレイシーも殆ど出ずっぱりで、漁師としての誇りと老いを実感して行く男を見事に演じている。
原作同様これだけ骨太の作品に仕上がったのは、映画ならではの映像・音楽・演出・演技によるもの。もう一度原作を読み直したくなるような作品だ
フィラデルフィア
1993年/アメリカ
米国の正義と平等を象徴する映画
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 80点
キャスト 85点
演出 80点
ビジュアル 80点
音楽 85点
トム・ハンクスとデンゼル・ワシントンの2人ががっぷり四つに組んだ社会派ドラマ。ゲイやエイズをテーマにした裁判モノなのに、少しも暗くならないのは演出の素晴らしさか?
音楽も名曲を幅広く効果的に使われている。トム・ハンクスがアカデミー主演男優賞を獲った映画として有名だが見所は沢山ある。
不満があるとすれば、家族や親戚が良き理解者ばかりで誰一人主人公の裁判沙汰に異論を挟まないことか。現実では有り得ないのでは?
クラッシュ
2005年/アメリカ
ハリウッドの良心と米の悩み
shinakamさん
男性
総合 85点
ストーリー 90点
キャスト 85点
演出 80点
ビジュアル 80点
音楽 80点
アカデミー賞にノミネートされただけあって、とても出来の良い群像ドラマ。今米国が最も問題を抱えている人種問題を,交通事故を題材に緻密に組み立てられた構成は鮮やか。ただしあまりにも偶然な人間関係は少々無理があった。観終わって後味が良いのがこの作品の良さか?マット・ディロンが最高の演技。
甘い生活
1960年/イタリア=フランス
生きがい探しの難しさ
shinakamさん
男性
総合 75点
ストーリー 70点
キャスト 80点
演出 75点
ビジュアル 70点
音楽 80点
フェデリコ・フェリーニの代表作。若い頃観たときは、ストーリーについて行けず戸惑った記憶がある。改めて見直すと一見幸せそうな理想的な家庭の父親が子供を道連れに無理心中をしたり、大富豪の家族が退廃してゆく様が描かれたり、ナカナカ奥が深い。観れば観るほど良い映画になるのだろう。但し体調の良い時に観ることをお奨めします。
危険な年
1983年/オーストラリア
リンダ・ハントの存在感
shinakamさん
男性
総合 75点
ストーリー 70点
キャスト 80点
演出 70点
ビジュアル 75点
音楽 70点
メル・ギブソンとシガニー・ウィバーのメロドラマ。よく有り勝ちな異国で出会った恋愛ものだが、スカルノ政権末期のインドネシアロケが物語を盛り上げている。男性カメラマン役(ビリー)のリンダ・ハントが単なるメロドラマでなくこの映画に厚みを持たせてる。さすがアカデミー助演女優賞を取っただけのことはある。ただしラストシーンが平板で物足りなかったのが残念。
ぼくの伯父さん
1958年/フランス=イタリア
今日に通じる文明批判の喜劇
shinakamさん
男性
総合 65点
ストーリー 60点
キャスト 70点
演出 75点
ビジュアル 60点
音楽 75点
ジャック・タチ独特の世界で馴染みがないと戸惑ってしまうが、幸せな暮らしとは?を痛烈に批判していて現代にも通じる。
少年と犬が上手く橋渡しをしていて、お金とモノを持つことが豊かな生活ではないことをタチらしく表現している。
禁じられた遊び
1952年/
静かな反戦映画
shinakamさん
男性
総合 80点
ストーリー 75点
キャスト 90点
演出 90点
ビジュアル 70点
音楽 90点
ルネ・クレマンの演出とナルシソ・イエペスの音楽がピッタリ一致した反戦映画。とても悲惨なストーリーなのに2人の子役が生き生きと描かれている。特にブリジット・フォッセーが可愛い。ラストシーンが哀れを誘い、青春時代涙した思い出の映画。