晴れ、ときどき映画三昧

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「オデッセイ」(15・米) 80点

2016-07-16 10:44:11 | (米国) 2010~15

 ・ 宇宙音痴にも充分楽しめる、スペース・サバイバル・エンタテイメント




 NASA火星探査アレス3計画の宇宙飛行士がアクシデントで火星に置き去りにされ、生存を懸けた孤独な奮闘ぶりとアレス3飛行士・NASA関係者の必死の救出劇を描いた宇宙映画。

「2001年宇宙の旅」をはじめ宇宙映画は定期的に話題作・名作が現れるが、本作は筆者のように宇宙好きでなくてもサバイバル・エンタテイメントとして楽しめる作品で、「アポロ13」(95)に比較的似た展開。

 映像技術の進歩で観客を疑似体験させたような「ゼロ・グラビティ」(13)のような臨場感も味わえる。

 アンディ・ウィアー原作「火星の人」を読んだひとにはチョッピリ物足りないかもしれないが、リドリー・スコット監督が長編を141分にまとめ、久し振りにいい仕事をしている。

 主演のマークを演じたマット・デイモンは過酷な状況にも関わらず楽天的なエンジニア・植物学者に扮しドラマを牽引し、見応えのあるドラマに貢献。

 リスクを回避しようとするNASAサンダース長官(ジェフ・ダニエルズ)と失敗を恐れないアレス3ミッション・フライトディレクターのヘンダーソン(ショーン・ビーン)との見解の相違は危機管理責任の在り方の典型的事例で広報の姿勢とともに現実起きた重大事件ともオーバーラップする。

 ヒンズー教の父とバブテスト教徒の母を持つNASA火星探査責任者カプーアの冷静な対応がきらりと光って見えた。

 ディスコ好きの船長ジェシカ(メリッサ・ルイス)以下5人のクルーがマーク救助に命掛けで挑む姿が比較的淡々と描かれているのが、チョッピリ物足りなさが残るところか?