晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
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『昼下りの情事』 80点

2009-05-08 14:00:45 | 外国映画 1946~59




昼下りの情事


1957年/アメリカ






終わり良ければ全て良しのロマンチック・コメディ








総合★★★★☆
80



ストーリー

★★★★☆
80点




キャスト

★★★★☆
85点




演出

★★★★☆
85点




ビジュアル

★★★★☆
80点




音楽

★★★★☆
80点





ビリー・ワイルダーとI・A・L・ダイアモンドの名コンビによるオードリー・ヘップバーン主演のロマンチック・コメディ。
チェロを学ぶ音大生アリアンヌ(A・ヘップバーン)は好奇心旺盛なパリ・ジェンヌ。私立探偵の父クロード(モーリス・シュバリエ)は名うての大富豪プレイ・ボーイ、フラナガン(ゲーリー・クーパー)の浮気調査中。
隠微な題名とはウラハラに、ワイルダー監督はパリを舞台にアリアンヌの純粋な娘心をイキイキと描いて、この作品でヘップバーンを大スターへ確立させた。自らもロマンチック・コメディというジャンルを切り開いて、「お熱いのがお好き」(59)「アパートの鍵貸します」(60)と続くヒット作でこの位置を不動のものにしている。
オードーリーは実年齢28歳ながら、背伸びした二十歳そこそこの役を違和感なく好演、チェロを片手にした後姿や表情のアップはファンをトリコにした。
対するG・クーパーはケーリー・グラントに断られ廻ってきた役だが、当時闘病中のせいか56歳より老けて見え、従来の好漢振りとは違う役に居心地が悪そう。しかし夢のようなこの物語が、年齢差のハンデを乗越え、返って治まりの良い結果となって現れた。
老優M・シュバリエは「うつぶせに寝る女性の87%は秘めた恋をしている」「小魚を水に返して下さい」など名台詞を連発し存在感たっぷり。
ホテル・リッツを舞台にしてジプシー楽団が奏でる「魅惑のワルツ」に乗せながら進行するお洒落なラスト・シーンは最大の見所。終わり良ければ全て良しの作品は、途中の粗さを全て帳消しにしてくれる。