傷だらけの男たち
2006年/香港
トニー・レオンが初めての悪役?
shinakamさん
男性
総合 75点
ストーリー 70点
キャスト 80点
演出 75点
ビジュアル 80点
音楽 70点
「インファナル・アフェア」以来5年が過ぎ、ファン待望の香港クライム・ムービーが実現。アンドリュー・ラウ(監督)、アラン・マック(監督・脚本)がトニー・レオンを初めて悪役?に据えた。
刑事ポン(金城武)は’03クリスマスに恋人を自殺で失い、3年後はアルコール依存症の私立探偵でその日暮らし。上司のヘイ(トニー・レオン)は、実業家チャウの娘スクツァン(シュー・ジンレイ)と結婚して幸せの絶頂にいた。
その直後に起きたチャウの惨殺事件は一件落着に見えたが、ポンが探るうち’78マカオの一家惨殺事件が浮かんでくる。
犯人を観客に先に見せる手法は「インファナル・アフェア」と同じだが、いまひとつ共感を呼ばないのは終盤でのつじつま合わせのようなストーリ展開にあったのか?トニー・レオンは当初予定していたポンにぴったりで、復讐に燃える冷徹な役はやはり似合わない。むしろリメイクで予定されているレオナルド・デカプリオに向いているかもしれない。
ポン役の金城武はそれなりに無難な演技だが、彼の持つ甘いマスクが汚れ役のジャマをしていた。彼の恋人フォンのスー・チーが長い手足で華を添えていて存在感をみせていたり、エンディング・テーマソングに浜崎あゆみを添えるなど、アジアン・パワーを終結した無国籍な味がこの映画の魅力となっている。