あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

瀬戸内シーカヤック日記: 下関『おいで』&『味覚』、小倉『もり田』

2010年10月06日 | 旅するシーカヤック
2010年10月2日(土) この週末は下関への旅。 ここ数年、下関には年に1-2度訪れている。
時にはエルコヨーテさんの工房で、エクストリームNさんも一緒に男だけの最高に楽しい宴会を楽しみ、時には下関のビジネスホテルに泊まって、エクストリームNさんとの再会の一時を堪能するのである。

今回は、エクストリームNさんとの数ヶ月振りの再会。 楽しみだ!
***
待ち合わせは夕方なので、昼間はたっぷり時間がある。
せっかくなので、山口県の中で気になっているスポットを探検してみる事にしようか!

『特牛』 日本の難読地名の一つでもある『特牛(こっとい)』
ここにある漁港に、イカ釣り漁師達が集まる『おいで』という食事処/居酒屋があるとの情報が、前から気になっていたのである。
 
特牛に到着し、漁港に行ってみると、そこはまさに遠征烏賊漁の基地の雰囲気。
 
すでに水揚げを終えた雰囲気の漁港の傍には、売店も、お風呂も、そしてコインランドリーもあり、瀬戸内の小さな漁港とは、そして日本海の小さな漁港とも全く違った独特の雰囲気がある。

『うーん、これぞまさに、日本海のイカ漁基地だ!』
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今日のお目当ては、イカ釣り船の漁師達も愛用しているという『おいで』
 
新鮮なイカが食べられるということで有名な店である。
 
お店の中は、まさにプロの漁師が通う店の雰囲気がプンプンと漂っている。 『うーん、これは好いぞ!』

メニューを見ると、昼メニューと夜メニューが。 今日は、昼メニューからの選択である。
『すみません。 イカ刺し定食下さい』

回りを見渡すと、対馬や壱岐の海図が壁に貼ってある。
 
『はい、お待たせ。 この青海苔に醤油を少し垂らして混ぜて。 良い香りがするからご飯につけて食べるといいよ』 運ばれてきたイカ刺し定食を食べながら、店のご主人からお話を伺う。

季節によって変わるイカの種類、東北から九州まで様々な地域からイカ釣り舟がやってくること、お客さんが絶えないため正月休み以外はお店の休みがない事、3メートルくらいの波なら大きなイカ釣り船は出て行く事などなど。

『ここらの小さい船は出られんが、あの大きいイカ釣り船なら3mの波なら出て行く。 逆に、荒れたときは数は釣れんけど値が高くてもうかるらしいよ』

『北の方は兵庫や青森、北海道。 南の方は長崎の船も来よる。 正月休みはみんな地元に帰るけど、それ以外はたいてい船が居るね』

『イカ釣りの許可はその年には出んのよ。 1年前に申請して、許可が出る。 灯りを点けるのに油代もかかるし、釣れたら釣れたでトロ箱代や氷代がかかるし、経費でたいへんらしいよ』

食後には、焼きたてのスポンジケーキをデザートにサービスしていただき、『ごちそうさまでした! おいしかったです。 今度はぜひ、ビールを飲みながらイカ刺しを食べにきますよ』
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食後は、大河内温泉へ。 ここの温度の低い源泉風呂が好きなのだ。
 
人の少ない静かな温泉。 アルカリ性で、ヌルリとした泉質を楽しみ、体が温まると三十数℃と低い湯温の源泉でしばし体を冷やす。 これを繰り返していると、体の芯から疲れが抜けていくのが分かるのだ。
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夕方。 エクストリームNさんがホテルに迎えに来てくれる。
 
昔懐かしく、そして妖しい雰囲気を醸し出している『まるは通り』にある、これまた地元に密着した居酒屋の雰囲気を醸し出している『味覚』へ。
 
初めての店だが、引き戸を潜るとほぼ満席。 お店の方のご好意でお客さんにズレてもらって、なんとか二人分の席を確保していただき、まずは乾杯!
 
おいしい刺身に魚料理、ステーキ、銀杏。 いずれもおいしく、店の雰囲気もストライクゾーンど真ん中!

会話も弾んで、『うーん。 これは良い店を見つけたなあ』
***
翌朝は、再びホテルに迎えに来ていただき、まずは近くの温泉へ。

海を眺めながらゆっくりと朝風呂を楽しみ、お昼ご飯はエクストリームNさんお勧めという、小倉のお寿司屋さんへ連れて行っていただいた。

そのお店は、『もり田』

お店に入ると、カウンターだけ8席ほどの小さなお店だが、聞くところによると、様々な有名人/著名人の方も常連さんだとか。

『おまかせ』ということで、最初の一品は巻物。 一口で頬張り、なんどか噛みしめて飲み込むと。。。

(なんなんだこれは!)と心の叫び。 驚きの表情でエクストリームNさんを見ると、(そうでしょう!)という表情。
昆布の旨味と香りの心地良い余韻が、いつまでも口の中に残る。

次の一品は『かつお』。 『そのままで食べて下さい』ということで、パクリと口に放り込み、噛みしめると、再び『ああ! いったいこれはなんなのだ』

カツオの味が口一杯に広がり、当分の間そのカツオの風味と香りが、口中にそして脳内に漂うのである。 決して魚臭いわけでなく、カツオの旨味と風味が増幅されそして凝縮された、これまでに経験した事のない余韻。

『こんな寿司があったのか!!!』

その後は、『これもそのままでどうぞ』 『これは少しむらさきを付けて』 『ふくの白子です。 熱いので少しさましてからどうぞ』

一口食べては驚き、一口食べてはNさんと顔を見合わせ、再び一口食べては感動する。

ただ、『はい、大間のマグロです』って出された時には、『おー、これが噂の!』と思うとともに、心の中で『兄弟船』を歌っていたのは隠せない事実。 うーん、たまにしか見ないのだが、それでもTV番組の影響ってすごいなあ。
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これまで寿司とは、ネタの鮮度『だけ』が命と思っていたが、このお店で寿司をいただくと、その『創造性』と『これまでとは別世界の寿司の旨さ』に目から鱗の状態である。 ほんと、ペッパーのかかった寿司をつまんだのは、今回が初めてである!

私が知っているとても狭い範囲ではあるが、この創作寿司と対極にあるのが、地元倉橋にある『さしみ屋_北吉鮮魚店』。
北吉鮮魚店の刺身や煮魚/焼き魚は、直球ど真ん中、まさに鮮度命の魚料理。 そして『もり田』の寿司は、鮮度や品質はもちろんだが、ご主人の一工夫が、味にこれまでしらなかった球の伸び/切れ、そして予想外の変化を与えて、客を楽しませ、驚かせる。

また、寿司がおいしいだけでなく、気さくで遊び好き、話題豊富なご主人と奥さんとの会話も楽しく、本当に最高のお店であった。
『ごちそうさまでした!』

この『もり田の寿司』を知らないと言う事は『ある意味幸せ』ではあるが、この『もり田の寿司』を知ったと言う事は『とても幸せ』なことである。
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いずれもストライクゾーンど真ん中の、下関エリアのB級グルメから特級グルメまでを堪能させいただいた旅。 エクストリームNさん、本当にありがとうございました!
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