アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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有事(戦時)体制加速する自衛隊の民間施設使用

2021年11月15日 | 自衛隊・軍隊

    

 自衛隊のミサイル基地化・軍事要塞化が進行している沖縄で、自衛隊が民間の施設を使って軍事訓練する計画が進行しており、大きな問題になっています。

 琉球新報(11日付)によると、防衛省は11月下旬に計画している自衛隊統合演習(実動演習)の一環として、民間の石垣港に自衛隊艦船を寄港させ、与那国島との間で人員・物資の輸送訓練を強行します(写真中は過去の実動演習、右は陸自演習、いずれも自衛隊HPより)。
 また、本島・中城湾港でも、借り上げた民間の大型輸送船で県外から人員を輸送する計画です。
「自衛隊統合演習で県内の民間港使用するのは初めて」(同紙)です。

 民間港のほか、沖縄戦の戦場になった本部町・八重岳では、「電子戦」の訓練が強行されます。

 急速に進む自衛隊の民間施設使用。県民からは、「悲惨な戦場だった八重岳で戦争を想定した訓練をするのはありえない。…沖縄を再び捨て石にするつもりなのか」(12日付琉球新報)など、怒りの声が上がっています。

統合演習で民間港を使用するのは、有事の際に民間地域を巻き込むことが避けられないことも示している。軍民混在の戦闘がどれだけ悲惨な結末をもたらすか、沖縄戦の体験を踏まえれば明白だ」(12日付琉球新報社説)

 統合演習以外でも、陸上自衛隊は宮古島の演習場に物資を搬入する際、民間の平良港を使用することを宮古島市に要求。座喜味一幸市長は、これを許可しました(9日付琉球新報)。座喜味市長は「オール沖縄」の市長です。

 自衛隊による民間施設の利用が加速しているのは、沖縄だけではありません。

 朝日新聞デジタル(11日)によれば、防衛省は9月から11月末まで、陸自の全部隊が参加する「陸上自衛隊演習」を行っていますが、これに民間の輸送業者が大規模に取り込まれています。

「輸送には自衛隊や米軍に加え、防衛省が輸送業務を発注した民間業者が参加。日本通運のほかフェリー会社14社、航空会社1社の計16社で、日本通運はJR貨物など複数の下請けにも業務を発注した。…今回は業者の総数を含めて過去最大規模という。訓練は有事が迫る中で準備を整えるとの想定」(11日朝日新聞デジタル)

 陸自幹部はこう言ってはばかりません。
「様々な意見があるのは当然だが、自衛隊だけでは国を守れないのも事実。今回の訓練が、民間の方に有事の協力のあり方を考える機会になれば」(同)

 市民を戦争に巻き込む有事(戦時)体制づくりが、沖縄をはじめ、日本中で急速に進行しています。
 しかもそれは、「国を守る」という方便とは逆の深刻な事態と同時進行です。   (明日へ続く)

 

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