アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

都知事選「朝鮮学校への補助金復活」を争点に

2024年07月05日 | 都知事選
   

 都知事選(7日投開票)は最終盤です。京都では報道も少なくどのよう選挙戦になっているのかよく分かりませんが、活発な政策論争が行われているようには思えません。

 とりわけ、関東大震災(1923年)時に虐殺された朝鮮人を追悼する式典に歴代都知事が送ってきた「追悼文」を、小池百合子氏が2017年から取りやめた問題はもっと追及されなければなりません。

 式典の実行委員会幹部は、「在日コリアンらへの差別が続いている今につながる問題。知事選の争点として多くの人に考えてもらいたい」(3日付沖縄タイムス)と訴えています。

 この問題は小池氏のレイシスト(民族差別主義者)としての本質を示すものです。

 そして、同じ性格の問題で、「追悼文」以上に注目されていない問題があります。それは小池氏が就任(2016年)以来、朝鮮学校への補助金を打ち切り続けていることです。

 東京都による朝鮮学校への補助金打ち切りは、政府が「高校無償化」から朝鮮学校を排除した2010年から始まりました。問題の本質は民族差別です。

「国や自治体が補助金を支給する、しないを判断するとき、もっとも重視すべき公益上の必要性の要件は、民族的マイノリティの子どもたちが母国語や出身国・地域の歴史や文化を学ぶ民族教育が無差別・平等に保障されるべき普遍的人権だということだ」(丹羽雅雄弁護士、月刊イオ編集部編『高校無償化裁判』樹花舎、2015年収録)(写真は「高校無償化」の差別撤廃を訴える朝鮮学校の生徒たち)

 知事選告示を前にした5月30日、都内北区で「朝鮮学校補助金の復活を求める都民集会」が行われました。実行員会は4カ月弱で18723筆の署名(「ぼくたちをなかまはずれにしないで」都民署名)を集め、都に提出しました。

 集会で、朝鮮学校に通う子の母親、宋恵淑(ソン・ヘスク)さんが訴えました。

「この問題は政治的、外交的な問題ではなく、子どもの人権の問題であり、子どもの最善の利益を国が、都がどのように保障するかという問題です」(月刊イオ7月号)

 小池氏は今回の選挙で「所得制限なしの高校授業料無償化推進」を政策にあげているようです。それなら真っ先に朝鮮学校への補助金を復活させるべきですが、それには背を向けたままです。「レイシスト・小池百合子」を都知事に居座らせてはなりません。

 蓮舫氏はどうでしょうか。「子育て・教育・若者支援」を強調しながら、朝鮮学校への補助金復活には言及していないようです。

 そもそも、最初に「高校無償化」から朝鮮学校を排除したのは民主党政権です(2010年、野田佳彦政権)。それを政府の方針として確定・強化したのが安倍晋三政権です(2012年)。この問題では自民党と民主党(立憲民主党)は共犯関係です。

 その両党を支持基盤とする2人が競り合っている知事選。蓮舫氏は、「追悼文」問題では小池氏を批判しているようですが、それならば、「追悼文復活」とともに「朝鮮学校への補助金復活」を政策として明言すべきです。


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