角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

シッカリ役に立って・・。

2005年12月28日 | 製作日記
今日作った草履は、リサイクルシリーズLサイズ25.0cm〔写真〕
秋田おばこ調のベースに、青の木綿で鼻緒を作ってみました。この草履はネットのお客様からのリクエストでお作りしたものです。今日の便で東京に向け旅立っていきました。

私はかつてサラリーマンでした。角館の伝統工芸品「樺細工」の製造問屋に勤務していた当時、工場の人たちが自分たちで作り上げた商品を出荷する際、品物に向かって『戻ってくるなヨ』と呟いていたのを思い出します。そう、作り上げた人間にしてみると、それは「モノ」ではなく一つの分身なんですね。『戻ってくるなヨ』の意味は、手塩に掛けた娘を嫁ぎ出す親心だったんでしょう。

あれから十年が過ぎて、今は私も作り手のひとりになりました。もちろんまだまだこれからのヒヨッコなわけですが、自ら作り上げた草履に対する可愛さは分かります。私は旅立つ草履に向かって、『シッカリ役に立つんだゾ』とはなむけの言葉を贈ります。
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2 コメント

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私が注文しました (たかはし)
2006-01-05 11:00:35
鴬野で育ち、今は台東区の駒形に住んでおります。浅草雷門まで4~5分のところです。浅草は、昔からの履物屋がたくさんある地域で、地下足袋(たがじょ)や下駄から革靴ハイヒールまで多くの店があります。

子供の頃の藁草履を思い出し、草履をさがしておりましたがこれと言った物が無く、今回さけいやさんの草履を見つけ、お願いしました。

30日に受取り正月は足の裏に故郷を感じて過ごすことが出来ました。ありがとうございました。
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そうでしたか! (草履職人)
2006-01-05 18:49:49
鴬野のご出身だったんですか!

それはそれは、ご注文ありがとうございました。一定期間お履きになって、なにかご意見等ございましたらお知らせください。ブログコメントは見逃しがちなもので、掲示板をご利用いただければ幸いです。

今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。
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