角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

夫婦の愛・家族の愛。

2006年10月15日 | 実演日記
今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm〔3000円〕
赤のいらかに緒はエンジ、真中に茶色の帯を入れてみました。この茶色の生地が残り僅かで、なにかに使うとしたらこうしたアクセントしかありません。そういう草履が面白い配色になったりするもんです。

今日も青空が続いた角館、気温も上がり気分も上々です。なにより散策のお客様の笑顔が嬉しいですね。

「一番大切なものは何か?」と尋ねられれば、まぁ「家族」という回答が一般的でしょう。これは旅の最中にも覗えます。

お住まいは聞きそびれましたが、明らかに関西圏からお越しのお父さん。私の草履説明を聞きながら、ある言葉で顔がほころびました。それは、『一番多い使い道はお母さんの台所なんですよねぇ~』。
これを聞いたお父さん、『あっ、なるほどっ、台所ねぇ~、家内にひとつ買ってくかなっ!』。
『ゼッタイ喜んでくれますヨ~、私が保証します!』と言うと、『そぉ、喜ぶ!?』。
最後まで笑顔のお父さんでした。

秋田市からお越しのご夫婦。奥様がご主人に、『あなたこういう草履履いたら?』。ご主人、『俺はイイよ、マッサージ効果があるんだったらお前が欲しいだろ、買ってあげるよ』。
どうしたわけか、お金を払う人のほうが笑顔なんですよね。

千葉県からお越しのご夫婦。ちょうどそのとき作っていた草履を気に入ってくださった奥様が、『その草履は買えないんでしょ?』。
『これは大丈夫ですヨ、あと15分くらいですね』とお応えすると、ご主人のほうが、『うわぁ~、良かったなぁ、出来たてを買えるゾ!』。
明らかに喜んだのはご主人のほうでした。

盛岡市からお越しのご夫婦とそのご友人。奥様が草履を気に入ってくださり、品定めをしておりました。ふと、『あっ、お義母さんもこの草履喜ぶんじゃない!?』。
これまでだいたいの場合、嫁姑の確執を見せられてましたから、ご自分の草履を決める前にお姑さんを思い出すなんて、『うわぁ~、なんてイイ奥様なんだろう』と思ったものです。
オーダーとなり、ご自分用の配色が決まると、次はお姑さんです。ご友人がいろいろアドバイスしてくれたところ、『えぇ~、その色じゃ私と色違いになるじゃない~、それは嫌よぉ』。

最後の盛岡市の奥様も含めて、やはり家族が一番大切ということで‥

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2 コメント

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カミさん (mage)
2006-10-16 11:13:18
私もカミさんに買ってやろうと

考えている最中です。

ツボ刺激・マッサージ物が好きなカミさん。

きっと喜ぶと思います。



なんのきっかけもなくだと、

「?」って思われるので、きっかけを

探っている最中です。

なんせ私、あまりカミさんに

プレゼントをあげた記憶がないんです。

「なに?どうしたの?

なんか悪いことしたの?」と言われるに

決まってるんです。



なので、気持ちよくサッと

手渡せるタイミングを探して・・・。

 

でも、それって、

どんなタイミングだろう?

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さりげなく (草履職人)
2006-10-16 18:38:45
なんか面白いですね、プレゼントを渡すタイミングを探るっていうの(笑)。



誕生日だとか結婚記念日だとかを考えてしまいますけど、さりげないプレゼントもあってイイんじゃないですかね。

たとえば、枕元にそっと置いておくとか、台所とか玄関になにげに置いておくとか。



自分に当てはめたら、なんかこそばゆい‥
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