角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

究極のないものねだり。

2014年07月21日 | 地域の話




今日の草履は、彩シリーズ24cm土踏まず付き[四阡八百円]
今日は「海の日」。今朝仕上がるように昨日の夕方から編み始めた「今日の草履」は、穏やかな夏の海をイメージしたものです。その編んでいる最中、『今作っている草履はどなたかの注文品ですか?』とお訊ねの女性がいらっしゃいました。海とは無縁の栃木県宇都宮市からお越しで、『そういう色が大好きなんです~』とご予約です。田町武家屋敷ホテルにご宿泊した今朝、仕上がった草履を笑顔でお持ち帰りになりました。

人は身近にないもの、あるいは自分にないものを求めたがります。男女関係は最たるもので、朝ドラ白蓮の駆け落ちがその顕著な例でしょう。色恋話とは無縁なスポーツの世界であっても、これまで手に入れたことがないものを目指すのはむしろ当たり前です。甲子園初出場に最も近いと云われていたわが母校大曲工業高校が、今日の準決勝で延長戦の末に敗れました。決勝戦は角館高校との県南対決を夢見ていた人たちには、私も含めて少し残念だったと思います。

5月18日のブログに綴っている南相馬市のKさんご夫妻が、突然今日訪ねてお見えです。『体調が少し良くなったら、居ても立ってもいられなくなってさ~』とお元気そうな笑顔でした。三日間ほど滞在したらまた仙台市へ戻り治療の続きといいますから、ほんとに短い時間でも角館に来たかったのでしょう。

原発事故さえなければ生まれ育った南相馬市で、のんぴり老後生活を楽しんでいたはずのご夫妻。太平洋に面する福島県は、温暖な気候で食べるものも美味しい土地です。それが山の中に近い角館をこよなく愛してくれるのですから、これもまた身近にないものを求める人の習性なのかもしれません。

明後日は高校野球秋田県予選決勝戦です。角館高校の相手は今日大曲工業高校を下した能代松陽高校。これまで何度かチャンスがありながら甲子園の切符を手にしたことがない角館高校が、究極の「ないものねだり」に挑戦します。母校が敗れたため、私も心置きなく応援したいと思っています。

本日1992回目のブログ更新でした。
コメント (2)
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