『M.クンツェ&S.リーヴァイの世界 ~2nd Season~ WIEN MUSICAL CONCERT』
日本で上演されたクンツェ&リーヴァイ4作品のコンサートです。
4作品とは‥‥
『エリザベート』
『モーツァルト!』
『MA(マリー・アントワネット)』
『レベッカ』
2010年6月以来、2回目のコンサートです。
1月に観た『CHESS in Concert』のような“コンサート形式の上演”ではなく、あくまでも“コンサート”なので、聴いていていろいろ考えることがありました。
歌い手が、役を前面に押し出すのか?歌唱を重視して、役はそれに付随するものととらえるのか?
歌い手さんによって、アプローチの仕方がいろいろあって興味深かったです。
それは、経験がない役のナンバーを歌った場合に顕著でした。
例えば、一路真輝さんの「レベッカ」はダンヴァース夫人として歌っていましたし、土居裕子さんの「星から降る金」はまず歌を聴いてほしい、というスタンスから入っているように見受けられました。
全体的には、ウィーンミュージカル祭りというより、クンツェ&リーヴァイ両氏をリスペクトした真面目なコンサートだったと思います。
(東京フォーラムのスペシャルver.は“お祭り”になるのかな?こちらは7月にDVDが発売されることになりましたやったね)
以下、思い出すまま雑感。
2年前にも感じたのですが、『MA』は名曲揃いだと思いました。
石川禅さんの歌う「もしも鍛冶屋なら」に心からしみじみして‥‥祐一郎さんの「イリュージョン」にワクワクしました。アントワネットとフェルセンのナンバー「すべてはあなたに」は直ぐに耳に残って、当時口ずさんで帰った事を思いだしました
でも‥‥あの演出のままの再演は、重たすぎてつらいなぁ
『レベッカ』のオープニング曲「夢に見るマンダレイ」は、タイトルとメロディがとてもぴったりな曲だな、と改めて
今回は衣装はすべて自前らしいのですが、男性陣はスーツやタキシードを基本に、色やデザインや素材でその役をイメージさせていました。
どなたのもコンサートの雰囲気に合っていて、似合っておりました
特筆したいのは芳雄くん
この日は、わたしの中日劇場史上はじめての超前方席だったのですが‥‥
ヴォルフガングとルドルフでは微妙に髪型を変えていました。
耳を出す出さないとか、前髪のウェーブの具合とか、本当に小さな変化なのですが、ものすごく綺麗にセットしてありました。
かなり以前のインタビューの「妹(元花組の89期の男役さん、研6で退団しました。)に男役の髪型の作り方を教わっている」みたいな事を思い出して、ちょっとほのぼのしました。
衣装もルドルフのグレーにライン入りのスーツ風なのが、素敵でした
女性陣(一路真輝さん、土居裕子さん、新妻聖子ちゃん)はロングドレスが基本でしたが、それぞれの個性に合ったチョイスだと思いました。
一路さんは、黒のマーメイドのドレス(ダンヴァース夫人&晩年のシシィ)、濃い紫のバッスルスタイルのドレス(男爵夫人)、黒のクリノリンのドレス(シシィ)の3着でした
一路さんはやはり『エリザベート』で本領発揮
2年前は、本格的に復帰したファーストステップだったので、今思い出すと、コンサートにしてはかなり“重い”シシィでした。
当時の私は復帰がただ嬉しくてそういう事まで感じる余裕もなかったのですが‥‥
今回は、程好い加減だったと思います。
でも「レベッカ」は(ファンとしてこういうことを書くのはとても心苦しいのですが)、まだ歌が身体に馴染んでいない気がしました‥‥
もしも、3rd Seasonがあるならば、大塚千弘ちゃんの〈コンスタンツェ〉と〈わたし〉、香寿たつきさんの〈ヴァルトシュテッテン男爵夫人〉のナンバーを聴きたいな、と思いました