夢うつつ♪つれづれ草子

書いて残しておきたい事が、たくさん出来ました(*^^*)
自分自身のための備忘録なんだけれど…いろいろ書きたいな♪

『金色の砂漠』

2017-01-18 23:37:58 | 宝塚観劇つれづれ

『金色の砂漠』は、こんじきのさばく ですね。
きんいろのさばく と読んでいたワタクシ(汗)

大劇場で2回観ての東京での観劇です。
1月9日15時30分の公演。星 → 花と、Wさゆみさんですね o(^▽^)o
お正月らしく華やかなロビー。
iPad がうまく起動しなくてノロノロしていたら、友人が撮って送ってくれました (^-^)



さて『金色の砂漠』をこれからご覧になられる方は、ネタバレを読まずに観られることをお勧めします。
ただ登場人物が多いので、人物相関図くらいは見ておいたほうが良いかも。
ここでネタバレしていますので、まっさらな状態でご覧になりたい方は、お読みになりませんように m(_ _)m
ただ、キキちゃんがストーリーテラーなのだけれど、ネタバレ的な事を言ってしまうのですよね〜。
これは脚本の失敗だなぁ……

以下、思わず長文になりました。
しかも主演コンビにほとんど触れていないという……すみませんな文章です。


作・演出は、期待の上田久美子センセ。
今までのうえくみセンセの作品と違って、『金色の砂漠』は好き嫌いが分かれるかなぁ、と思います。
極端に言えば、同人誌的な濃さがあるのですよ。
その濃くて激しい恋愛描写が嵌まるように、ということで、舞台を古代の砂漠の国に設定したみたいですね。
行間を読みたいのだけれど、ストーリーは先へ先へと進み、初見時は、観ながら、いったいこの話はどう着地させるのだろう?とわくわくしましたが……冒頭のキキちゃんのネタバレ的なセリフが、想像の幅を狭める結果になってしまい、そこが残念な点でした (´・_・`)


さてさて、『金色の砂漠』での私の涙腺決壊ポイントは、キキちゃん演じるジャーが桜咲彩花ちゃん演じる第2王女のビルマーヤに付き従って砂漠への旅に出ると告げたあたり。
ジャーはビルマーヤを確かに愛していたけれど、7年という月日がそれを男女の愛から兄妹の愛に形を変えてしまったけれど、それでもビルマーヤについていくという見守る愛。
「愛には〈支配する愛〉と〈見守る愛〉がある」というセリフも別のところにあって、見守る愛を貫くジャーの心持ちに打たれました。
で、ジャーを演じるキキちゃんが嵌り役でとても良かったです。
白い王子様が似合う男役は、いまどきは意外と少ないので、キキちゃんにはこのままピュアな個性を持ち続けて欲しいです。
ロミオが似合う男役。
そして、ちなつちゃんとがっつり芝居をして欲しい!(『 MY HERO 』がそうだったら、すごく嬉しいなあo(^▽^)o)

話が逸れました m(._.)m

みりおくん演じるギィが、花乃ちゃん演じるタルハーミネに向ける〈支配する愛〉が、どうしても目立ってしまうのですが……
『金色の砂漠』は様々な愛の形を描いています。

その中で〈支配する愛〉から時を経てじょじょに〈見守る愛〉へと形を変えていったのが、ちなつちゃん演じる国王ジャハンギールの愛。
ちなつちゃんは違和感なく髭が似合っていました。人間的にも大きな人物ですが、砂漠の国の王らしい実直な雰囲気がありました (^_^)
ジャハンギールの気持ちが変わっていくことで、略奪された王妃アムダリヤ(仙名彩世ちゃん)の気持ちも変わっていったのだろうな、と思います。
自分はジャハンギールを愛しているのだという気持ちは、実の息子であるギィにはとうてい理解できまい、ギィを苦しめるだけではないか?と考えたからこそ、アムダリヤは飛びおりたのでしょうね……
ということで、『金色の砂漠』の女性の登場人物の中で、私がいちばん心を寄せられるのはアムダリヤなのでした。


〈支配する愛〉と〈見守る愛〉にどうしてこだわっているかというと、このセリフを聞いたときに、アンドレとジェローデルだわ!とピンッときたからなのです^_^;
ジェローデル贔屓ですからねー、どうしても〈見守る愛〉に肩入れしたくなるわけで。


ビルマーヤの夫になるゴラーズの天真みちるさんが、いい感じでした。この役を2枚目系の男役に宛てて役を増やそうとふつうは考えがちですが、ゴラーズさんの設定は、うえくみセンセ、GJと思いました。

カレーくんはタルハーミネと結婚するテオドロスですが、あっさりとタルハーミネを見捨てて国に帰ります。打算が勝っていたけれど、タルハーミネを愛していたのでは?と思いましたが、テオドロスにこうさせたのは結局のところ、プライドが勝ってテオドロスに心を開かなかったタルハーミネなのよね。

じゅりあサマは男前!もしかして、裏設定で、じゅりあサマのラクメはギィに恋してる?

英真なおきさんのピピは、登場人物の中でいちばん思慮分別があるようにみえました。アムダリヤを止めなかったときだけ、ピピが人生の中で感情のままに行動したのだろうな。さすがに専科さんは説得力があります。



いろいろ長々と書きましたが、合わせて3回も観たのに、どうしても主演コンビの愛の形には感情移入できないままに、終わってしまったのでした。
(と言いながら、千秋楽のLIVE中継のチケットが当たったので、4回目があるのです。田舎だから、申し込むと100%当たってる…苦笑)


友人の感想を。
最後に砂漠で絶命するであろうギィとタルハーミネの場面は蛇足ではないかと。
確かにギィがタルハーミネを追って後先考えずに砂漠に向かいました、で終わった方が余韻がありますよね。
ジャーに「もう誰もいなくなってしまった」と言わせているのだし、大階段でのふたりは、砂漠で絶命したと思わせるに充分だし……
ここで突っ込むならば、ほんとうにタルハーミネを助けて愛を成就させたかったら、ちゃんと捜索隊を出すと思うのですよね……そういうことを考えられないほどギィは取り乱していたとも言えますが……そんなギィの片腕になってくれる人物がいないのも寂しいところです……


上にも書きましたが、初見時は、このストーリーの着地点がわからなくてドキドキしましたので、ストーリー的には面白いのだと思います。
ただ、主演コンビが演じる人間像が、どうしても好きになれないのが歯痒かったです。

うえくみセンセの次回作は、まぁさまの主演作。
『神々の土地 〜ロマノフたちの黄昏〜』
タイトルがラノベっぽい。壮大で優雅で切ない雰囲気?
『オルフェウスの窓』の第3部の時代なのよね。
大好きな『翼ある人々』のような名作になりますように!

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2 コメント

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Unknown ()
2017-01-30 19:26:54
桜さま

お正月な公演で、華やかなお着物を見ているだけで
あっという間の一幕でしたよね。
豪華だったわ。さすが宝塚だと思いました。
『金色の砂漠』、桜さんの洞察力に感心しました。
〈支配する愛〉と〈見守る愛〉は、ほんと、アンドレとジェロね(^^♪
二幕とも素敵で、至福な一時を過させて頂けて感謝します。
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華やかでしたね〜 ()
2017-01-31 23:12:29
翠さま、こちらにもありがとう(⌒▽⌒)

「雪華抄」は本当に着物も舞台装置も綺麗でしたね。
フィナーレで並んだ2列目くらいまでの生徒さんたちの着物が、全部違っていて、それでいて色がうるさくなくて、見応えがありました。

「金色の砂漠」は作者が男性だったら、もっと別の展開になるだろうモチーフですね。
まだ経験の浅い女性演出家だから書けたのでしょうね。

アンドレだってずっと〈見守る愛〉だったではないか?という世間の大多数の意見はちょっと横に置いて^_^; やっぱり私たちには〈見守る愛〉=ジェロよねー (^o^)

ではこの次もよろしくお願いします (^_^)
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