あを雲の涯

「 二、二六事件て何や 」
親友・長野が問う
「 世直しや 」
私はそう答えた

道程 ( みちのり ) 7 蹶起部隊 ( 26日 、午前 )

2021年06月07日 13時52分54秒 | 道程 ( みちのり )


昭和維新の春の空 正義に結ぶ益荒男が
胸裡百万兵足りて 散るや万朶の桜花
「 昭和維新の歌 」 を高唱しながら
三宅坂方面に向い行進する安藤隊

蹶起部隊出動経路 ・ 26日


道程 ( みちのり ) 7
蹶起部隊

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昭和11年 ( 1936年 ) 2月
26日 午前
午前0時30分頃  安藤大尉、柳下中尉に部隊の出動を通達す ・・・
命令 「 柳下中尉は週番司令の代理となり 営内の指揮に任ずべし 」 
午前0時30分頃  河野大尉の牧野伸顕襲撃隊、歩一を出発す
 磯部、河野壽大尉出発後、→ 歩三野中大尉と打合せ ・・・
下士官の赤誠 1 「私は賛成します 」 
 → 歩一 → 西田税宅へ  ・・・行動記 ・ 第十一  
午前2時30分頃  對馬、竹嶌中尉、歩一に到着
午前3時頃  歩一11中隊の下士官を起し、丹生中尉より蹶起趣意書を説明す
午前3時過  磯部、村中、香田、歩一11中隊の下士官室に赴く  丹生中尉、下士官全員に紹介す
午前3時30分  安藤部隊 ( 歩三第6中隊 )、出発す
午前4時頃  澁川善助、営門を出た安藤部隊 安藤大尉と歩一の前で会う
午前4時過  河野隊、湯河原到着
午前4時10分  坂井部隊 ( 歩三第1中隊 )、出発す
午前4時25分  野中部隊 ( 歩三第3、第7、10中隊 ) 出発す
午前4時30分頃  栗原部隊 ( 歩一機関銃隊 )、丹生部隊 ( 歩一第11中隊 )  表門から出発、歩一裏門で待つ野中隊と合流す
 丹生部隊、栗原部隊の後尾より首相官邸の坂道を上る ・・ 村中、香田、丹生 先頭、磯部、山本、後尾に付く
午前4時30分頃  亀川哲也、眞崎邸へ蹶起を知らせる
午前4時50分  中橋部隊 (近歩三第7中隊 )、出発す
午前4時50分頃  安藤部隊、鈴木侍従長邸に到着
午前5時前  栗原部隊、首相官邸に到着
午前5時  丹生部隊、陸相官邸に到着

午前5時 同時蹶起
栗原部隊、首相官邸襲撃開始 ・・・
行動記 ・ 第十三 「 いよいよ始まった 」 
安藤部隊、鈴木侍従長襲撃開始
坂井部隊、斎藤内府襲撃開始
中橋部隊、高橋蔵相襲撃開始
河野部隊、襲撃開始 ・・・
「 デンポウ ! デンポウ ! 」 
野中部隊、警視庁占拠開始
香田、村中、丹生隊と共に陸相官邸に突入 ・・・
香田清貞大尉 「 国家の一大事でありますゾ ! 」 

丹生部隊、陸相官邸を包囲、赤坂見附~三宅坂附近 ・ 参謀本部正門付近、陸軍省表門付近を警戒
山本予備少尉、丹生部隊と共に陸相官邸表門出入者を監視す
野中部隊、鈴木少尉 ( 歩三第10中隊 )、新撰組を急襲 ・・・
新撰組を急襲 「 起きろ! 」 

午前5時10分  中橋襲撃隊63名、蔵相門前に集合 → 中島少尉が引率して首相官邸へ向かう
中橋中尉、2箇小隊75名を引率 赴援隊として宮城半蔵門へ向かう  ・・・
「 近歩三第七中隊、赴援隊として到着、開門!」 

川島陸相、面会を渋る間、磯部浅一、正門、其他の部隊配置を巡回する  竹嶌中尉は首相官邸へ

午前5時25分  田中隊 ( 野重砲第七 )、陸相官邸へ来る  「 面白いぞ 」
中島少尉、陸相官邸へ報告に来る  「 高橋蔵相をヤッタ 」 → 首相官邸へ向かう ・・午前5時40分  首相官邸到着、その後は単独で陸相官邸、鉄相官邸、を往復する
午前5時40分  「 朕ガ首ヲ真綿デシメルヨウナモノダ 」  ・・・
「 俺の回りの者に関し、こんなことをしてどうするのか 」 
午前5時53分  中橋赴援隊62名半蔵門から宮城に入る

午前6時頃  安藤部隊、侍従長邸正門前で隊列を組み三宅坂方面に向かう  「 昭和維新の歌 」 を高唱しながら行進、
 安藤大尉、東京警備司令部の参謀福島久作少佐と接見す ・・・安藤大尉「 私どもは昭和維新の勤皇の先駆をやりました 」 
 午前6時頃  清原少尉 ( 歩三第3中隊 )、警視庁屋上占拠 ・・軽機2箇分隊、小銃2箇分隊 40名
午前6時頃  林少尉 ( 歩一機関銃隊 )、襲撃を終え首相官邸表玄関に集結す
午前6時頃  中橋襲撃隊、大江曹長以下60名首相官邸を包囲配備す
 野中部隊、 虎ノ門 日比谷 三宅坂に歩哨
 野中部隊 鈴木少尉 ( 歩三第10中隊 ) 二箇小隊を指揮して内相官邸を占拠、一箇小隊を残置し午前9時頃迄内務省附近を警戒
 坂井部隊 高橋少尉 ( 歩三第1中隊 )、陸相官邸に到着、参謀本部前を午前10時頃まで警備
坂井部隊 麦屋少尉 ( 歩三第1中隊 )、陸相官邸に報告に来る  「 斎藤内府をヤッタ 」
午前6時30分頃  安藤大尉、陸相官邸報告に来る  「 鈴木侍従長をヤッタ 」 ・・・
「 ヤッタカ !! ヤッタ、ヤッタ 」 
 野中部隊 常盤少尉、安藤大尉に状況報告す。・・・「 愈々 昭和維新が達成するか 」 ・・報告を受けた安藤大尉、感無量といった姿で天を仰ぐ
 安藤部隊全員、陸相官邸前に整列  安藤大尉から蹶起趣意書を読み聞かされる
午前6時15分  安藤大尉、東京警備司令部の参謀新井匡夫中佐と接見す
午前6時15分  中橋赴援隊、守衛隊司令官門間少佐の許へ到着
午前6時25分  中橋赴援隊、坂下門の非常警備配置に就く
午前6時30分頃  小藤大佐、山口大尉、首相官邸へ到着
午前6時30分過  小松陸相秘書官、陸相官邸へ到着
午前6時40分  安藤大尉、東京警備司令部安井藤治参謀長と接見・・接見後、兵数名を率い陸軍省裏門附近に亘る
午前6時40分過  香田、村中、磯部、漸く 川島陸相との面会に進展
午前6時45分  中橋中尉、午砲臺へ立つ
午前6時50分  田中自動車隊、首相官邸へ集結
午前7時頃  安田、高橋少尉 兵力30 渡邊教育總監私邸に到着襲撃開始
午前7時頃  磯部、村中、香田 川島陸相と面会
蹶起趣意書 」 「 川島義之陸軍大臣への要望書 」  朗読す
「 只今から我々の要望事項を申上げます 」 


陸相官邸 二月二十六日 
川島義之陸軍大臣 二月二十六日 
上部工作 「 蹶起すれば軍を引摺り得る 」 
私の想い ・ 二・二六事件 「 昭和維新は大御心に副はず 」
斎藤瀏少将 

午前7時過  斎藤少将、首相官邸に着く
午前7時20分頃  斎藤少将、栗原中尉に案内されて車で陸相官邸へ
 陸相官邸に着いた栗原中尉は折り返し朝日新聞社襲撃の準備す
午前7時30分  中橋赴援隊、坂下門を警備
午前7時30分~8時  坂井部隊 麦屋少尉、三宅坂道路上の警戒 ・・・
「 チエックリストにある人物が現れたら即時射殺せよ 」 
午前7時50分  警備司令部、第一師団に兵力撤収を命ず、近衛師団に出動を命ず
午前7時55分  中橋中尉、単独宮城を出る
午前8時頃  陸相官邸に眞崎大将到着 ・・・
行動記 ・ 第十五 「 お前達の心は ヨーわかっとる 」  ・・・川島義之陸軍大臣 憲兵調書 
眞崎大将が陸相官邸に到着との伝令に、安藤大尉、陸相官邸へ 並 野中大尉も陸相官邸へ
午前8時30分頃  香椎東京警備司令官、警備司令部に当庁
午前8時40分頃  栗原中尉、朝日新聞社襲撃に首相官邸を出る
 警視庁--参謀本部の路上で中橋中尉と遭遇  中橋中尉、そのまま襲撃に加わる
 午前8時55分頃  栗原隊、東京
朝日新聞社襲撃 
→ 日本電報通信社 午前・・頃 → 報知新聞社 午前9時30分
 → 東京日日新聞社 午前9時35分 → 国民新聞社 午前9時40分 → 時事新聞社 午前9時50分
・・・
朝日新聞社襲撃 『 国賊 朝日新聞を叩き壊すのだ 』  

安田優、渡邊教育總監襲撃の報告に来る・・前田病院に入院す
坂井部隊 高橋少尉、陸相官邸に到着 参謀本部前を午前10時頃まで警備

午前9時頃  古荘次官、石原大佐、山下少将、満井中佐、鈴木貞一大佐、陸相官邸に到着
午前9時30分頃  磯部浅一、陸相官邸の玄関で片倉少佐を射つ

・ 
「 エイッこの野郎、まだグズグズ文句を言うか 」 
午前9時頃  川島陸相 参内上奏する為 宮城へ向かう
 村中、磯部、香田 と 満井中佐、馬奈木中佐、山下少将と共に宮城へ向かう も、 参内は山下少将のみ
・ 川島義之陸軍大臣参内  
軍事参議官 宮中に集う 
午前9時30分  川島陸相、天皇に事件を奏上し、蹶起趣意書を読上げる
・ なにゆえにそのようなものを読みきかせるのか 

午前10時頃  眞崎大将、伏見宮邸に入る → 伏見宮上奏 ・・・伏見宮 「 大詔渙発により事態を収拾するようにしていただきたい・・」 
午前10時頃  西田税、小笠原海軍中将に事態収拾を電話で依頼す
安藤大尉「 私どもは昭和維新の勤皇の先駆をやりました 」 
午前10時  安藤部隊、三宅坂三叉路に陣地、・・27日正午まで桜田門の手前、半蔵門、隼町に歩哨警戒に当る
 坂井中尉、麦屋少尉と共に部隊を引率して赤坂見附から平川町に至り、
 市電停留所を中心に三宅坂、永田町、麹町四丁目、赤坂見附に歩哨  ・・・
歩哨線 「 止まれ !」 
午前11時前頃  村上大佐、三宅坂の安藤大尉に会う
午前11時頃  小藤大佐、山口大尉、陸相官邸に来る  ・・・
香田清貞大尉 「 陸相官邸の部隊にも給与して下さい 」 
午前11時頃  香椎警備司令官、山下少将と参内、川島陸相、真崎、荒木大将と会談す

西田税、首相官邸の栗原中尉に電話す ・・・西田税 (警調書2) 『 僕は行き度くない 』

正午  陸軍軍事参議官が正午までに全員参内す


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