田中は意気けんこうとして、
「 面白いぞ 」
と 云ひつつ
余をさがして官邸に来る。
・・・行動記
第十四 「 ヤッタカ !! ヤッタ、ヤッタ 」 )
田中勝 タナカ マサル
『 面白いぞ 』
目次
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・ 昭和維新 ・田中勝中尉
高橋邸襲撃を終えた中橋は、
襲撃隊の第一小隊を、
中島少尉、大江曹長、箕輪、宗形 両軍曹に託して首相官邸に向かわし、
次に赴援隊の第二小隊を、今泉、斎藤と共に率いて青山通りに出、半蔵門に向かう。
すぐに田中の自動車隊に遭遇する。
「 ・・・蔵相邸表に出ると、陸軍砲兵中尉田中勝が自動車四台を率いて通り抜け、
私に 『 しっかりやって下さい、私はこれから陸相官邸に行きます 』 と 云い、
田中中尉が 『 非常!』 と 叫んでいたという事で、
突発事態に遭遇したと認め 第七中隊は直ちに宮城に赴く 」
・・・中橋訊問調書
・ 田中勝中尉の四日間
・ 田中勝中尉 「 今日から昭和維新になるぞ 喜べ 」
・ 田中勝中尉 「 しっかりやって下さい、私はこれから陸相官邸に行きます 」
・ 田中自動車隊の一酸化炭素中毒事件
・ 最期の陳述 ・ 田中勝 「 大詔渙発の原稿まで作製しておいて説得する必要はあるまいと思います 」
・ あを雲の涯 (十四) 田中勝
・ 昭和11年7月12日 (十四) 田中勝中尉
私は特に感激しましたのは、
安藤部隊が中隊長以下 生死を同じうすると言ふ状勢で、
部下は中隊長を、中隊長は部下の為に一丸なり、
不離一体一緒に陛下の御為維新に奉公すると云ふ状景を目撃し、男泣きしました。
そこで私は首相官邸に帰り、部下に此 美はしい情誼じょうぎを伝えました。