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緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

ネガティブな観念を変えるにはそれなりの時間がかかる

2023-11-10 22:17:31 | 心理
先ほど、講習会で親しくなった友人とラインで話していたら、「ネガティブな観念を変えるにはそれ相応の時間がかかる」という話題になった。
この友人は、若い頃までネガティブな思考に支配され、不幸続きの人生を送ってきたが、ある本を読んだことがきっかけでネガティブな観念に気が付き、その観念をプラス方向に変えることで自らの努力で幸福な人生をつかみ取った方だ。

今まで何度か記事にしてきたが、心の苦しみというのは、人生のプロセスの中で他者から受け取った、自分を否定する観念、価値観、解釈(受け止め方)が潜在意識の深いところで刷り込まれ、それがその後の体験で強化され定着することで起きる、ということは間違いないと考えている。
生れながらにしてあるものではなく、他者からの影響で身に付けてしまったものであることを認識したい。

自分もある方の本に出合って、このことに気が付いた。そして、心の苦しみを起こさせるメカニズムが実感として理解出来たとき、心の苦しみが和らいでいく方向に舵の向きが変わった。
講習会の友人も言っていたが、まずはこのことに気が付くことが最初なのである。
この事実に気が付かない限り、心の苦しみを解消していくことは不可能だと言い切れる。

そして、このネガティブな観念から発動している潜在意識の回路を断ち切り、代わりに自己肯定の観念を生み出す習慣を無意識レベルで出来るようにするには、それ相応の時間がかかるということでもある。
友人は20年以上かかったと言っていた。
家族を始め、さまざまな人から愛され、生まれながらにして自己肯定の習慣を維持できた人にはなかなか理解し難い世界でもある。
しかしこのような人たちでも、愛情深い人はいる。
心の苦しみを理解してもらえなくても、愛情を受け取ることで苦しみから解放されることは多々ある。
しかしそのためにはかなり自己否定の観念から解放されていることが前提となるであろう。
自己否定に支配されている状態だと、人の愛情を感じ取ることはまず不可能であろう。

私が毎日読んでいる心理学の著者は、常に「観念の観察をすることを忘れてはならない」と強調している。
周囲の人の評価など気にせず、自分を生きているヴァイタリティのある強い人というのは、この「ネガティブな観念」を克服している人だといえる。
純粋動機に従って行動している人である。

ネガティブな観念から開放されてくると、ネガティブな観念に支配されて悪感情に苦しんいる人の現実が手に取るように見えてくるようになる。
だからそのような人の影響を受けなくなってくる。
同時に、純粋に愛情のある人にも気が付いてくる。

心の苦しみを抱えている人は、藁をもすがる気持ちで、短期解決を謳う心理療法に飛びついて苦しみをさらに広げる。私がまさにそうだった。
そのような方法を提唱している方は大体が、心理療法をビジネスにしている方であり、利益を第1に考えている人である。
心の苦しみを解決するには、それ相応の時間が必ず必要であり、その時間というものは短縮しようにも短縮することは出来ないものだと痛感している。

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心の苦しみの発生原因と解決方法の考察

2023-10-30 21:33:27 | 心理
心の苦しみの解決に取り組むこと約35年。
自らの実体験の過程から、ここにきてその原因と解決方法についてかなり理解が深まってきたので、整理しておきたいと考えた。

では、心の苦しみとは何か。
それは、怒り、憎しみ、恐怖、不安といったマイナス感情が解消されずに、絶えず心に生じている状態のことであろう。
これらの感情は心身共にエネルギーを奪い取る。
では、このような心の苦しみが起きる原因は一体何か。
今回、その原因について考えてみた。

心の苦しみが発生するきっかけはどういうことだろう。
私はこんな風に感じている。
過去の体験で記憶した情報、例えば、ある体験の結果により自ら受け入れた、自分は他人から責められるだめな人間だ、なまけている人は許せないといった、自分に対する認識(受け止め方)、価値観(善悪、優劣など)というものが、潜在意識の深淵に内面化され、その後の同様の体験の積み重ねにより、より強化され定着していくことで恒常的に発生するようになるということだ。

この、心の深い所で内面化した自己認識や価値観により、マイナス感情が意識せずとも自動的に反応し発生しているのだが、大抵はこのことを明確に意識化することが出来ない。

そしてその内面化した自己認識や価値観によりマイナス感情が自動発生していることを理解できず、ただ苦しみのあまり、ある人はそのマイナス感情を弱い立場の人間へのいじめ、パワハラ、ネットでの特定の人間に対する誹謗、中傷、デモ・抗議活動、度を越したクレーム、不祥事を起こした政治家などに対するバッシングといった形で表出し、一時的に解消しようとする。
一方である人はマイナス感情を意識できないか、意識できても表出出来ないためにそのマイナス感情を自分自身に向け、蓄積されたマイナス感情がオーバーフローするとうつ病などを発症する。

いずれにしてもこのような対応は本質的な解決ではないので、マイナス感情は日々、絶えず継続的に生産され、蓄積されていく。その不快感に耐えられない人は先述したような方法で吐き出そうとするであろう。
多くは過去に自分がされて傷ついたのと同じ方法を無関係の他人に適用して解消しようとする(感情転嫁による一時的、疑似的な解決方法)。

このようなマイナス感情発生のメカニズムを放置したまま、プラスの暗示を定着させようと試みる心理療法(催眠暗示療法やイメージ療法、エネルギーワークなど)を見かけるし、実際に体験したが、その方法が成功しない理由が、この点に見いだされる。

ではその恒常的に発生するマイナス感情を根本的に解決するにはどうしたらよいのだろうか。

まず、自分の心の中で起きていることに気が付くこと。
心の中で絶えず起きているマイナス感情を意識化することが最初だ。
次に、マイナス感情発生の原因となっている、潜在意識の深いところに定着している自己認識や価値観を丹念に観察、具現化させていく作業が必要となる。
そしてこれらの定着化した自己認識や価値観が自動回路のようにマイナス感情を発生させ、そしてさらにそのマイナス感情が新たなマイナス感情を生み出す強迫的行動を発動させていることにも気が付きたい。


マイナス感情を発生させる自分に対する認識と発生する感情の具体例

・自分は周りのみんなから嫌われる駄目な人間だ⇒恐怖、怒り、不安
・周りの人間はみんな私をいじめようとしている、批判しようとしている⇒恐怖、怒り
・自分は誰からも相手にされない価値のない人間だ⇒孤独感、無価値感、怒り
・相手が怒るのは自分が悪いからだ⇒恐怖、怒り
・相手が無視するのは自分が至らないからだ⇒恐怖、怒り
・相手が自分のことを嫌う、避けるのは自分に原因があるからだ⇒恐怖、怒り
・周りの人たちに貢献しないと相手にされない、嫌われる⇒恐怖、不安
・相手は私のことを見下している⇒怒り、憎しみ、劣等感、恐怖
・相手は自分のことを心の中で嫌っている⇒不信感、憎しみ、恐怖
・周りの人たちは陰で私の悪口を言っている⇒怒り、恐怖、憎しみ、不信感
・自分は協調性のない人間だ⇒恐怖、怒り
・対人恐怖の自分は人から愛されない⇒失望感、孤独感、怒り
・うつ病の自分は重荷、お荷物に思われる⇒悲しみ、孤独感、寂しさ、恐怖
・人前であがったら変なやつだと思われる⇒恐怖、不安
・人前で上手く話せない自分は価値がない⇒失望感、恐怖、不安
・わきがや口臭で周りの人が迷惑がっている⇒恐怖、不安

マイナス感情を発生させる価値観と発生する感情の具体例

・努力しないで怠けていると人から嫌われる⇒恐怖
・貧乏人は馬鹿にされる⇒怒り、屈辱感、恐怖
・時間を守らないと怒られる、ルーズな人間だと評価される⇒恐怖、怒り
・特別なことをしないと、特別な才能がないと周りから相手にされない⇒恐怖、怒り、不安
・間違えたり、ミスをすると怒られる、馬鹿にされる、嘲笑される⇒恐怖、怒り、屈辱感、憎しみ
・歩きスマホなどルールを守らず自己中心的なやつは許せない⇒怒り
・歩くのが遅いと、後ろの人から怒られる⇒恐怖、不安、怒り
・いい大学を出ていないと見下される⇒恐怖、怒り
・夜中に大きな音を立ててはいけない⇒恐怖
・わがままはいけない、自分勝手は人に迷惑をかける⇒恐怖、怒り
・物知りだと人から尊敬される(無知だと人から馬鹿にされる)⇒恐怖、怒り
・約束を守らなかったら人から信用されず、相手にされなくなる⇒恐怖、不安
・気くばりの出来ない人間は大人とみなされない⇒恐怖、不安
・たいして苦労もせず、おいしいものばかり食べ、高級品を次々に買っている贅沢なやつが許せない⇒怒り、憎しみ、劣等感、妬み
・汚いことを言うと馬鹿にされる⇒恐怖
・身だしなみにルーズなやつは我慢出来ない⇒嫌悪感
・うそついたり、ミスを上手に隠そうとするやつが許せない⇒怒り、憎しみ
・すぐに心変わりする人は軽蔑すべきだ⇒嫌悪感、怒り
・世渡り上手な人が嫌いだ⇒嫌悪感、妬み
・優秀な人間でないと相手にされない⇒恐怖、不安、怒り

以上、いろいろ書いたが、これはあくまでも私の主観によるもので、人それぞれ異なって当然であろう。
しかしマイナス感情を常に発生させる自己認識や価値観がどういうものか、ということは凡そつかめるのではないかと思う。

心が苦しい人はまず、これらの自己認識や価値観でかんじがらめになって、身動きできない状態のなか、これらにより絶えず生み出されてくるマイナス感情に苦しめられていると考えていい。
心が苦しい人の多くはこの状態から抜け出そうとするが、なかなか抜け出せない。
何故ならば、この苦しい状態の自分を嫌うからである。しかしこの苦しい状態を憎み否定している限り苦しみから抜け出すことは不可能と言える。
あるいは、この苦しみをもたらすマイナス感情が何故発生してくるのかその原因が理解出来ないでいるからである。

苦しい自分を受け入れるようになり、マイナス感情を発生させる自己認識や価値観から解放されるには、程度にもよるが膨大な時間と忍耐力が必要となる。
自分と向き合い、どんな自己認識や価値観に支配されているか、丹念にひとつひとつ観察していく作業が求められる。
時間はかかるがこの作業をすることよってしか解決は得られないと考えている。
これらの作業をするうちに、自己肯定感の光が差し込んでくるようになる。

自己肯定感は自己否定が解消されて初めて自然に芽生えてくるものなのだ。自己否定をそのままにして自己肯定を試みることの無意味さと弊害がここにある。
それは言い換えると、自分が嫌いだからという気持ちを動機、背景にしてその嫌いでない自分になろうと努力することで、ますます自分が嫌いになっていくことを意味している。
今の自分のままではいけないと思って、自分を変えようと努力する人が破綻する理由がここにある。
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「仕事の流儀」を見て感じたこと

2023-10-28 23:49:39 | 心理
今日は千葉マンドリンクラブの合奏練習だった。
帰宅したのが23時ちょっと前。
遅い夕食を食べながら、録画しておいたNHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組を見た。

この番組を見るようになったのは最近だ。
と言ってもまだ2回しか見れていない。心臓外科医とカプセルトイ開発者を紹介したもののみだ。
今日見たのはカプセルトイの開発者のドキュメント。

ある会社の企画部門に配属されたものの結果を出せずに、わずかの期間で他部署へ異動させられる。
営業3年、中国などの工場で20年近く工場管理の仕事に携わり、企画部門に戻れたのは20年後の48歳になってからだという。
しかし、48歳で企画業務を再開して、彼は次々とヒット商品を開発していく。

何が彼をそこまで変えさせたのであろうか。
彼が言うには「中国の工場で、開発で上手く行かなかった理由が次々と分かるようになった」ということであった。
ものつくりの第一線で、型の製法、材料の種類の違いなどを肌で覚えていったという。それも自ら現場を歩いて目で確かめながら。

彼は幼い頃からプラモデルなどの模型を設計図どおりに作るだけでなく、改造したりして楽しんいたという。
そして企画部門に戻るまで(戻ってから?)、世界中のおもちゃを分解し、その構造を覚えたのだいう。
それは義務感ではなく、彼の本能が求めたものに相違ないであろう。
そして商品開発にあたり、これはとても無理だと思えることに粘り強く取り組み、不可能を可能にしていく過程に少なからず感動を覚えた。

私も製造業に勤務しているが、20代半ばでうつ病でメンタルがやられ、仕事の無い部署に2年数か月異動させられた。
そしてある日、その部署の部長に「工場にで働きたい」と言った。何でうつ病の自分がそんな大胆なことを言えたか分からない。
でもその部長は私のその希望を聞き入れてくれた。
うつ病から回復してきた数か月後に辞令が出て、私は工場の生産管理部門に異動した。
しかしそこでは待ち受けていたのは、誰でもやりたがらないような地味な仕事だった。現実は、うつ病で満足に働けなかったようなやつに責任ある仕事などさせられるか、ということであった。
当時は工場で生産される製品の現状実際原価は現在のように基幹システムの中の原価計算システムで自動計算されるような時代ではなく、手計算で行わざるを得なかった。より正確な原価を計算するためには、工場で生産される製品の設計部品表と呼ばれる製品の部品構成を示すリストをもとに、材料単価や製造、検査工数等を調べ、地道に積算していくのであるが、部品点数は3千以上にもわたる製品も中にはあり、しかも設計部品表が全ての部品構成を示さず省略されていることもあったので、そのようなケースでは設計図面そのものを見て確かめるしかなかった。周囲の人たちが電話などでコミュニケーションしながら仕事をしているその脇で、ほとんどしゃべらず黙々と仕事をしていくのである。
このような地味な作業を何年か続けていくうちに、この部品表に乗っている部品はどこから購入しているのだろうか。またこの中間品やユニット、または単体部品はどのように製作されているのだろうか、ということに興味を覚えるようになった。
そこで時間が出来ると、製造現場に足を運んで現場の物づくりの実態を目の当たりにした。製缶塗装、金属加工、樹脂成型、組立、分解、部品加工、中間検査、出荷検査といった工程を見て。紙のうえでしか見えていなかったものが、その形状、構造、製造プロセスがリアルに理解できるようになるまでになっていった。

今から20年くらい前に会社が一時危機的状況になったときリストラが行われ、希望退職の募集も行われた。
その直後に構造改革が行われ、会社の組織が大きく変わったが、私のそれまでの地味な仕事ぶりをはたから見ていてくれて、評価してくれていたと後から知ったある方が、私を事業本部の原価計算、原価管理、業績管理、予算編成などの管理会計業務を一手に担うポストに抜擢してくれたのだ。30代の終わりの時であった。
このことが私の長いサラリーマン人生を大きく変えたと言っても過言ではない。
それからというもの、平日は毎日夜中近くまで仕事をするようになり、時には夜中の1時、2時、そして休日も毎週のように出勤するようになった。
でもこのことがとても嬉しかったのである。とにかく自分を引き上げてくれたことが純粋に嬉しくて、オーバーワークでも疲れも感じることはなく長時間労働に不満も出なかった(この頃は残業も実際よりも少なく申請し、サービス残業であった)。

自分の話の方が長くなってしまったが、敗者復活というのは必ずありえるということを言いたかったし、どんな環境でも学びたいという気持ちがあれば、いくらでも味方してくれるし、応えてくれるということをたまたま幸いにも経験できたということでしかない。

仕事の流儀という番組で紹介されていた心臓外科医もカプセルトイの開発者も人や組織から評価されることを目的にしているようには見えなかった。
彼らをつき動かしている原動力は、自分の本当にやりたいことをする、ということと、自分の行った結果を喜んでくれる人の姿を見たい、ということのように感じられた。
取締役などのポストを得るために努力している人は多い。その多くは周囲から高い地位で見られることへの満足感であろうが、このような満足感は本物でないがゆえに脆く虚しいものであろう。
自分の本当にやりたいこと、本心から探求したいと感じること、それを実現するための不屈の精神力、忍耐力、あきらめずに取り組む底力といったものが、仕事をしているという実感をさらに豊かにさせてくれるものだと思う。

今現在の私の取り組むテーマは、「対人恐怖」を初めとする心の苦しみの解決、というものだ。
これも難しいテーマではあるが自然と日々、その解決方法を思索しており、自分の体験から何らかの成果を近い将来に得ることが出来るのではないかと感じている。


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対人恐怖は意外にごく普通の人の純粋な優しさに触れることで治っていくのではないか

2023-10-28 00:15:54 | 心理
30数年以上にも渡る対人恐怖症からかなり解消されて感じること。
それは、「対人恐怖は意外にごく普通の人の純粋な優しさに触れることで治っていくのではないか」ということだ。

2018年から社会人マンドリン団体や、心理セラピスト養成講座で出会った人たちに触れて感じたことだ。

ごく普通の人の、本人は全く意識していない、何気ない言葉やふるまい、その中にものすごい優しい気持ちが溢れていることに気がつくことがある。
重い対人恐怖の方がこのような気持ちを感じ取れるようになるにはかなりの時間を要するかもしれない。
しかし、自分を否定したり責めたりするパターンから解放されるようになってくると、必ず感じ取れるようになる。
感じ取れるようになると、そのような人の純粋な気持ちに感動する違いない。

それまではどんなに時間がかかってもあきらめないで欲しいと願う。
アルフレッド・アドラーは死ぬ1日前でも人は変わることが出来ると言っている。

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あるサイトの記事読んで感じたこと

2023-10-22 00:50:24 | 心理
今、たまたまであるがメンタルヘルス系のあるサイトの記事を読んだ。
そこにはメンタルを病んだ方、心の苦しみを抱えた方の、絞り出すような声が書かれていた。

とくに自分を否定している方の声を聴くと、瞬間的にものすごい涙が出てくる。
昔、かつての私があまりも心の苦しみを出すのを見て、震えながら涙をこらえていたカウンセラーのことを思い出した。

この苦しみは理解しがたい例えようがないものだけど、必ず良い方向に行くことを願わずにはいられない。
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