世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

銀河鉄道の夜

2007年10月20日 00時02分25秒 | Weblog
18時のベルが鳴ると、聖地・喫煙所にダッシュする私。
部長の視線なんて無視。
16時ぐらいから、全身でニコチンを欲しているんである。無理もない。

聖地で喫煙をする女子はずっと私だけだったのだが、3ケ月前、隣の部署に喫煙女子がやってきた。
名前はTさん。
こうして聖地で紫煙を吐き出す女子は私たち2人になった。
店長をやっていた、私より少し若いTさん。
彼女の現代風な装いと自分の意見をハキハキ言う気質は、自分とは真逆な感じがして、彼女とは「話が続かないかも」と思っていたフシがある。

今日も喫煙所へ。

彼女ととりとめのない話をした。
どういう話の流れでだか忘れたが、アニメ映画「銀河鉄道の夜」の話になった。

私がこの作品を初めて観たのは小学生のときだ。
深夜放送でたまたま観た。
ますむらひろしのアニメーションと細野晴臣の音楽に一発で胸キュン。
「栃木県子ども総合科学館」でこの作品が無料上映された際には、チャリを漕いで観に行った。
とにかく、私はあの独特の世界観が大好きだ。

Tさんはあの作品をレーザーディスクで所持していて、たまに鑑賞をするらしい。
大学(文学部)のゼミでも「銀河鉄道の夜」を研究したらしく、私が読んで不可解だった原作の部分を懇切丁寧に「~っていう意味なんじゃないですかね」と教えてくれた。

「銀河鉄道の夜」には船の沈没シーンが描かれている。
あれはタイタニック号の沈没の描写であることはよく言われていることだ。
タイタニック号に乗船しながら助かった唯一日本人は、なんと「銀河鉄道の夜」の音楽を手掛けた細野晴臣のおじいちゃんである…そんなマニアックな話をTさんは知っていた。すげー。

「カムパネルラがジョバンニに別れを告げるシーンの音楽が好きなんですよー」
と、煙を吐き出しながら言うTさん。

私も!私も好きだよ!

・ラッコの上着を馬鹿にするな。
・カムパネルラの父に萌え。いや、家庭教師の青年もなかなかイケてないか?
・ケンタウルス祭の様子って、ぶっちゃけ盆踊りだよね。
・蠍の話は泣けるね。
・「鳥を捕る人」の捕まえた鳥って、鳩サブレーみたくね?
・エンドロールで、「春と修羅」の一部が語られるじゃん?
「わたくしといふ現象は…」って。
あれも良いよね!
鳥肌立つよな!

てか、登場人物が何で猫なんだろうね!
登場人物のビジュアル的な感情表現を抑えるべく、猫にしたらしいですよ。
…マジで?

と、つい熱くなり3本目の煙草に火を点けてしまう我々。
(本作品をご覧になられていない方、分かりづらくてすいません)


こんなふうにマニアックな部分で話あえることって嬉しい。
宇宙の果てで宇都宮出身者にばったり遭遇するぐらい興奮する。

人は見掛けによらず。

人は、表面上でははかり知れない、銀河のような他面性を持っているのかもしれない。


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