メンテナンス

珍しく早起きした休日。
足の踏み場がない部屋を掃除し、とりあえず、足の踏み場を確保した。

昨日録画したハゲタカを再び観て感涙。
そのあとは、煙草と電卓片手に通販のカタログをパラパラ捲った。
毎年春には淡い春色のスーツを一着購入している。
今年はピンクが欲しいのだが、果たして似合うだろうか。
あ、クローバーのデザインをしたイヤリングも欲しいんだったな、自分。
あたたかくなると購買意欲が増す…。
何か因果関係があるのだろうか。
それともパキシルによる楽観的思考のせいだろうか。
悶々と考えながらカタログを閉じた。

洗面台に立ち、自分の顔を見て卒倒しそうになる。
なんと頬に粉が吹いていたんである。
煌々と降り注ぐ蛍光灯の光は、残酷なほど私の老いというものを照らしていた。
いけない、いけない。
肌の手入れ（スペシャルバージョン）をしようと試みる。
角質除去、うぶ毛剃り、眉の形を整える、パック…それだけでも化粧映えが明らかに違うことを実感。

ずっと気になっていた磨り減った靴の底を直すべく、近くのSCに向かう。
磨り減った靴底が発する、あの特有の音が嫌いな私。
ゴム部分が磨り減って露出し、釘が地面を打つ「カンカン」という音を聞く度にイライラする。
ついでに止まったままのロンジンの時計も修理に出すことにした。

戻ってきた靴は綺麗に磨かれ、履き心地も回復。気分上々。

たまには自分及び自分の所持品のメンテナンスも必要なんではなかろうか。
そうすることで、購買では得ることのできない別の何かが満たされるような気がする。

一番おざなりになるのは、自分の心のメンテナンスなんだが…。