世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

通学路

2006年05月05日 23時51分39秒 | Weblog
5/5

別に目立つ子ではなかったと思う。
中学時代の私は。

成績でもスポーツでも目立たなかった。
モテたわけでもないし、明るい子でもなかった。
色気付くと母に心配をかけるので、極力、色気に関心がない振りをしていた。
イベントで班を組むときは副班長という役割が一番楽だという知識を密かに心得ていて、いつも副が付く役割に率先してなりたがる子だった。
でも決して要領が良いわけではなく、非常にトロかった。

気持ちに余裕があると、いまだに思い出す、中学時代。

目立たない子なりに、地味な悩みや思いを胸に抱えていた。
どんな悩みだったのか。
残念ながらリアルに思い出せない。
私の内面に存在していたものは、もう、とっくに蒸発している。

薬局に目薬を買う途中、通学路を歩いてみた。
あの頃の気持ちをなぞるかのように。

春風が髪を揺らす。
当時、校則通りの運動靴で歩いていた道を、今、ハイヒールで歩く。
カツカツ。
吉熊片手に。
歩く。

あの時、描いていた自分を、私は今、生きているんだろうか。
あの時、胸に宿していた悩みと今の悩み、どっちが大きいだろうか。



この記事についてブログを書く
« オツカレサマ | トップ | さよなら。またね。 »
最新の画像もっと見る