世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

追い杏

2024年06月22日 23時09分08秒 | Weblog
10時半に起床。よく寝た。
15年ぐらい前にSTRAWBERRY-FIELDSで買ったワンピースを久々に着てみる。
お袖が複雑な構成をなしていてかわゆい。
シワになりやすいが故、アイロンがけが面倒臭くあまり着てなかったので新品同様。





昼過ぎにジェイコムの人が来訪。
装置を交換してくれる下見とのこと。
25歳の男子でとても良いコであった。
ついでにauのシムをジェイコムのものにしてもらう手続きをしてもらった。
携帯代が4000円ほど安くなるもよう。
順天堂での治療代のことを考えると非常に画期的。




薬局でお薬ゲット!これで2週間は生き延びられる。



宵の口に池袋へ。
今日も杏に会いに行った。
映画「ミッドナイトスワン」を何度も観に行くことを「追いスワン」と呼ぶらしいが、「あんのこと」を先週に引き続き今週末も観に行くこの状況はやはり「追い杏」と呼ぶのだろうか。
先週は丸の内、今週は池袋のロサ会館にて。
いつぐらいぶり?映画「コンナオトナノオンナノコ」以来?




劇場は地下にあるのだが、階段の壁面に有識者のコメントが。時間があったのでじっくりと見入った。




けっこう席が埋まっててびっくりした。
この作品はとても良いので多くの人に観てもらいたい。

1回目鑑賞時より心に余裕を持って観られた。

杏の母親の振るう暴力がパワフルなのは、杏の母親がまだ若い=若い時に杏を産んだからなのかと推測。
足が悪くひっそりとしているおばあちゃんは、娘(杏の母親)が孫(杏)に暴力を振るっていてもぼんやりと眺めているだけ。これは、このおばあちゃんも昔、娘(杏の母親)に恒常的に暴力を振るっていたからなのではないだろうか。
断ち切れぬ虐待の連鎖が悲しかった。
そんな杏に育児の機会が与えられるのだが、杏は押し付けられた子ども・隼人のことを大切に大切に育てていた。
「杏ならば悲惨な連鎖を食い止められる」という入江悠監督の、杏への愛情と期待を感じた。

結局、児相に送られる隼人。絶望する杏。
今回の鑑賞では、「どんぐりころころ」の歌詞に、杏と隼人との関係を思い、涙腺が緩んだ。

終盤、すすり泣く音が館内でこだましていた。

今回観ても無駄なシーンは一切なく、2020年の春の閉塞感に満ちた「あの感じ」が表現されていて、たった4年前のことなのにもう忘れていることが多いことに吃驚させられる。

緊急事態宣言とか。防災無線とか。

映画『あんのこと』予告篇 6月7日(金)公開


一人でも多くの人に観てもらいたい。

他の人の感想も見てみたのだが誰も杏のことを「自己責任」などとなじる人はいない。
それは杏の健気さ故かなと思う。
「シャブを打たなかった日は〇をつける。一日一日の積み重ねが大切」と多々羅に言われた通り、日記をに〇をつけ、毎日ひらがなだらけの日記を切々と書く。
私も1年前、上司に日報を書くようにExcelのシートを渡された。
治療で1ヶ月ほど有給をもらった日以外、毎日書いている日報。
粘着質な私が書く日報はしつこい。
あれもやった、これもやった。細部まで書く。徹底的に書く。
たまに上司が見て苦笑している。
この前、久々に自分で読み返してみたら、こんなこともしたんだ、あんなこともしたっけ、と懐かしく思ったのと同時に、なんだか自信が持てた。
日報(日記)、だいじ。

最後、杏は日記を燃やそうとする。
それはシャブを打ってしまった日で、日記の日付に〇を付けられなかったから。
積み重ねてきたものが壊れるとき、人は狂う。

Excelのシートに日報を書けることは幸せなことなんだ。


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