退社後、くたくたな体を引きずって駅まで歩く。寒い。寒すぎる。
駅前のT字路で騒がしく泣いている男児を発見。
「なんだよ、この子。うぜぇな」っていつもならば無関心な私なんだが、そこが割と交通量の多い道で危ないのと、誰も彼に関わろうとしないのと、彼の悲しそうな泣き顔を見て、仕方なく話しかけた。
私 「どうしましたか?」
男児「パパが~、パパが~、バイバイって手を振って…★□◎▼¥%♭&(ヒアリング不能)」
やっべ、まさか置き去り事件?
兎に角、彼の手を握り、「お姉ちゃんも一緒にいるから、ここで暫し待ちませんか」と彼と落ち着かせようとした。
ここは会社の最寄り駅付近である。同僚に、こんな子と一緒のところを目撃されたら何て噂されるかわからない。
「総務の〇〇さん(私)って隠し子いるらしいよ~」
とか
「子持ちの恋人がいるらしい」
とか。
若しくは
「すげー年下の男といたよ。セカンドバージン状態!?男日照りが長いから男児も恋愛対象になるんじゃね?」
とか。
まずいなあ~と思い、彼を見る。
粒羅な目から真っ赤な頬へと次々と流れる涙を片手で拭っている。
青いジャンパーが余計に彼の心象を強く示しているように見える。
「パパとママと…カラオケに来たの。そしたら、そしたらね、パパが手をバイバイして…ビェ~」
カラオケか。
早く言えよ。
そこにあるじゃんか。
彼とカラオケ方面に歩みを進める。
いきなり彼は私の手を離して駆けていく。
車に轢かれた大変!慌てる私。
彼の行き着く先には、カラオケ店前に佇む夫婦がいた。
「ご両親さまですか?良かった。彼、迷子になっていたのですよ」
と二人に報告し、私は彼の両親に丁寧に挨拶をされた。
男児は母親に抱きつき、また泣いた。
私の手にはいつまでも彼の湿った手の感触が残留していた。
私も子供のとき、海水浴場で迷子になった。知らないおじさんに保護されていた私を見つけたクマパパ。私を抱き締め、海辺を走って我が家のパラソルに連れてきた件は、我が家で語り継がれている伝説だ。
あの男児も、きっと本当に心細かったんだろうなあ。
子供に親切にするなんて、私にとってはレアケースだ。
CNNでトップニュースで扱われ、また明日の為替にも影響を及ぼすレベルの珍事と言えよう。
珍しいことをしたからって、明日、雨、…降らないでほしい。

駅前のT字路で騒がしく泣いている男児を発見。
「なんだよ、この子。うぜぇな」っていつもならば無関心な私なんだが、そこが割と交通量の多い道で危ないのと、誰も彼に関わろうとしないのと、彼の悲しそうな泣き顔を見て、仕方なく話しかけた。
私 「どうしましたか?」
男児「パパが~、パパが~、バイバイって手を振って…★□◎▼¥%♭&(ヒアリング不能)」
やっべ、まさか置き去り事件?
兎に角、彼の手を握り、「お姉ちゃんも一緒にいるから、ここで暫し待ちませんか」と彼と落ち着かせようとした。
ここは会社の最寄り駅付近である。同僚に、こんな子と一緒のところを目撃されたら何て噂されるかわからない。
「総務の〇〇さん(私)って隠し子いるらしいよ~」
とか
「子持ちの恋人がいるらしい」
とか。
若しくは
「すげー年下の男といたよ。セカンドバージン状態!?男日照りが長いから男児も恋愛対象になるんじゃね?」
とか。
まずいなあ~と思い、彼を見る。
粒羅な目から真っ赤な頬へと次々と流れる涙を片手で拭っている。
青いジャンパーが余計に彼の心象を強く示しているように見える。
「パパとママと…カラオケに来たの。そしたら、そしたらね、パパが手をバイバイして…ビェ~」
カラオケか。
早く言えよ。
そこにあるじゃんか。
彼とカラオケ方面に歩みを進める。
いきなり彼は私の手を離して駆けていく。
車に轢かれた大変!慌てる私。
彼の行き着く先には、カラオケ店前に佇む夫婦がいた。
「ご両親さまですか?良かった。彼、迷子になっていたのですよ」
と二人に報告し、私は彼の両親に丁寧に挨拶をされた。
男児は母親に抱きつき、また泣いた。
私の手にはいつまでも彼の湿った手の感触が残留していた。
私も子供のとき、海水浴場で迷子になった。知らないおじさんに保護されていた私を見つけたクマパパ。私を抱き締め、海辺を走って我が家のパラソルに連れてきた件は、我が家で語り継がれている伝説だ。
あの男児も、きっと本当に心細かったんだろうなあ。
子供に親切にするなんて、私にとってはレアケースだ。
CNNでトップニュースで扱われ、また明日の為替にも影響を及ぼすレベルの珍事と言えよう。
珍しいことをしたからって、明日、雨、…降らないでほしい。


あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。
噂、ぶわっと広まりますからね。
怖いですね。
仕事始めで「見たよ~」と言われぬよう、今から祈っています。