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世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

映画「エンディングノート」

2011年10月29日 | Weblog
新宿ピカデリーで映画「エンディングノート」を観てきた。
先週、満席で観られなかった作品である。
今日は気合を入れて1時間ちょっと前にチケットを購入。それでも残り5席だった。映画館の人曰く、連日満員なのだそうだ。

あらすじ: 2007年、高度経済成長期に段取り命で働いたサラリーマンの砂田知昭が、40年以上勤めた会社を67歳で退職。第二の人生を歩み始めた矢先、毎年欠かさず受けていた健康診断で胃ガンが見つかり、すでにステージ4まで進行していた。そこで砂田は人生最期のプロジェクトとして段取りの集大成、“エンディングノート”の作成に取り掛かる。(シネマトゥディ)


世界規模で考えると、この世の中、絶えず人が死んだり生まれたりしている。
この映画の主人公・砂田さんもその一人。私は砂田さんのことを知らない。従って中盤まで砂田さんに思い入れを持てなかった。
余命半年のドキュメントの仕方が丁寧で、また一家族のヒストリーの掘り起こし方が上手かったのか、終盤は砂田さんとその家族に感情移入しまくりだった。


病院のベッド。
妻に初めて、
「愛している」
と言う砂田さん。

「あなたがこんなにいい人だとは思わなかった。一緒に行きたい。連れていって」
とすがる妻。

印象的なシーンだった。


私は普段余命を意識して生きていない。死という病のキャリアであるということを忘れている。だから毎日楽しく呑気に生きている。しかしある日余命宣告されたら、私はどうするだろう。今後も私は結婚しないし子供も持たないと思う。だからエンディングノートは必要ないんじゃないのか。そういった意味で、この作品はちょっと自分には遠い世界のドキュメントといった溝を感じてしまった。
では、「娘」として親を見送る立場で考えてみたらどうだろうか。先述のとおり、私は家族を持たない。ということは私は親に孫(私の子)の顔を見せない人なのである。孫と戯れる砂田さんの嬉しそうな顔をスクリーンで観る度に心に鈍い痛みを伴った。勝手にちょっと責められている気分にもなった。でも人間には向き不向きがある。子供嫌いの私が厭々子供を産んでその存在に苦しむのならば、私の親はきっと私の子の顔などを見たくないに違いない。別の形で親孝行すればいいんじゃね?と帰りの電車では楽観的に考えた。


砂田さんは段取り命の熱血営業マンだった。大手化学メーカーの専務までいった。40年のサラリーマン生活で培った彼の段取りの手法は、本作品でも紹介されていて学ぶことが多かった。
余命宣告され、まず「to do リスト」を作成する。
ToDo 1 神父を訪ねる
ToDo 2 気合いを入れて孫と遊ぶ
ToDo 3 自民党以外に投票してみる
ToDo 4 葬式をシュミレーション
ToDo 5 あわび、母
ToDo 6 式場の下見をする
ToDo 7 もう一度孫と会う
ToDo 8 孫に挨拶 母に電話 親友と談笑 息子に引き継ぎ
ToDo 9 洗礼を受ける
ToDo 10 妻に(初めて)愛してると言う
ToDo 11 エンディングノート

一つずつ実行していく砂田さん。輝いていた。



映画『エンディングノート』予告篇
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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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オープニングノート (隊長)
2011-10-30 07:19:39
いつかはTSUTAYAで出たら観てみます。遂に「八日目の蝉」も出てきたので、次の休みに借りる予定なんですよ♪

期限付きに人は力を発揮します。終わりの近い夏休み、締切間近の仕事、駆け込み乗車、バーゲンの主婦、そして余命…

エンディングノートで余命を過ごす前に、お互いオープニングノート作ってまだ余りある人生を楽しみましょうよ♪
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オープニングノート (亮子&吉熊)
2011-10-30 21:16:03
隊長殿

これはよくできた作品でした。
おすすめです、間違いなく。

>期限付きに人は力を発揮します。終わりの近い夏休み、締切間近の仕事、駆け込み乗車、バーゲンの主婦、そして余命…

ははは。本当ですね。
納得です。

オープニングノート、わくわくしますね。
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