世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

父の命 ~風呂場で回想~

2005年07月01日 00時05分51秒 | Weblog
吉熊と一緒にお風呂♪
さっぱりしますた。
今、彼はベランダに干されている。
脱ぎ捨てられた彼の洋服に哀愁が漂う…。

まだ私が幼少の頃、父と入浴をすると

1.「ABCの歌」を全部歌う
2.あいうえお…ん、まで全部言う
3.九九を全部言う
4.いろはにほへと…全部言う

というカリキュラムが組まれていた。
それらをこなすまで、湯船から出してもらえなかったのである。
(教育熱心に育ててもらったのに、それらを裏切って悪かったなぁ…。パパ、ごめんね。)

本当に苦痛であった。でも、それが私達の数少ないコミュニケーション手段だった。
平日は残業でいつも深夜に帰宅していた父。
平日の夕御飯を一緒に食べたことがほとんどなかった。
公務員なのに定時に帰宅したのは、私達子供の誕生日とクリスマスだけ。

団塊の世代、負けず嫌い…そんな父は、家でも自室に篭り、
書類の積まれた書斎で仕事していた。
彼の部屋からはいつもワープロが「カタカタ…」鳴っていた。
仕事中は煙草を手放さず、1日3箱吸うので、
彼の蛍光灯やカーテン、本はセピア色に染まっていた。

日曜日は必ず家庭サービスをしてくれ、一緒に入浴した。
当時、彼は寡黙だったので「じゃ、次は九九を言ってごらん?」という彼の言葉には重みがあり、
従わざるをえなかった。
私も、のぼせながらも「ニニンガシ…」と言うような律儀な子供だった。

そんな父もあと3年で退職。
見れば誰でも糖尿病を疑うぞ!というような腹を抱え、今日も栃木に住んでいる。

思えば、家族のために仕事も家庭サービスもずっと遂行してきた彼。

私達は、紛れも無く、父の命を食べて生きてきたんだなぁ。
親って大変なんだなぁ。

吉熊を入浴させながら、そんな事を想った。
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3 コメント

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Unknown (みんなのプロフィール)
2005-07-01 08:42:20
ブログ開設おめでとうございます!

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父上様。 (マキ)
2005-07-02 03:28:57
亮子ちゃんの父上様には一度しかお会いしていないけど、

とても印象的でした。



三島由紀夫が割腹自殺していたそばで、

父上様はおデート中だったというお話、

忘れられませぬ。
返信する
デンキブラン (亮子)
2005-07-02 22:24:26
マキ殿

ヘロウ!!

そういえば、マキ殿は家に泊まりに来てくれたよね。パパと三人で飲んだよね。デンキブランを。



学生時代、三島由紀夫の割腹自殺した現場のすぐ近くで、当時の彼女とデートしていた…飄々と語っていたよね。

パパが「またマキちゃん、連れておいでよ」と申しておりました。

カモン!雀宮!!
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