世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

猛獣使い

2011年01月21日 23時23分17秒 | Weblog
やっとこさ、金曜日。
休日の2日間、48時間は自由の身!嬉しい。

残業して、1科目の予算を完成。
次第に予算作成の感覚を取り戻してきた。

某部署の次長はあまり自分の仕事以外のことはしたがらない。そして何かイレギュラーなことが勃発するとパニックになる。ちょっと変わっている人だ。昔、私はあまり彼に好かれていなかったのだが、あることが切っ掛けで、彼と友好的な関係を結ぶようになれた。

あることとは…とべ動物園のホッキョクグマ・ピースである。
一昨年、私は一人旅でピースに会いにいった。松山市内からバスで1時間。山の奥の動物園に、ピースは佇んでいた。真綿のようなふわふわとした毛並みは、神が創造した芸術作品のように見えた。


私はそこでピースの写真入りクリアファイルを購入した。今も会社で活用している。社長に「可愛いですねー」と誉められるほど愛らしいクリアファイルで、私の自慢の逸品である。

そんな私は得意になってピースのクリアファイルに書類を入れて社内を闊歩していた。
「あ、ピースちゃん!」
と社内を歩く私に声を掛けてくる殿方が…。
某課の気むずかしい次長だ。
「次長、ピースをご存じなんですか?」
と尋ねたら、
「知っているも何も。俺、ピースちゃん、大好きなんだ。あなたも好きなの?」
と会話が弾み、いつしか我々は会えばピースの話をするようになった。彼も一人でピースに会いに行き、そしてぬいぐるみを購入したらしい。気が合う。

予算作成のとき、彼にどうしても尋ねなければならない数字がある。
如何せん、気むずかしい人である。

今日。
ピースのクリアファイルを盾に、奥の席で黄昏ている彼に近づいた。

亮子「お疲れさまです!予算のことで次長に御伺いしたいことがあるのですが。お時間よろしゅうございますか?」

次長「は?予算?今、忙しいんだよね」

ここでピースのクリアファイルをチラリズム。
水戸黄門の印籠のように地味に翳す。

次長「おー!ピースちゃんだ!ねぇ、あなた、ピースちゃんのホームページ、毎日ちゃんと見てる?」

亮子「見ておりますわ。勿論。動画も。プールの中にあるおもちゃを探す仕草とか、たまりませんよね」

次長「だよな。たまらないよな。ピースちゃん」

亮子「それで、次長。予算なのですが、ここに実績を載せてますので、ぜひ参考にさなって、来期の数字をお願いしますね」

次長「…まっ仕方ねぇな。やるよ。やればいいんだろ。いつまで?」

亮子「来週水曜日までにお願いします。次長、ピースのDVD、お持ちですか?」

次長「勿論さー。高市さんになついていて。可愛いよな、ピース」

そんな会話をしながら次長は数字をまとめ始めた。
猛獣使いか、私は。

でもいいや。
数字さえもらえれば。

休日の48時間は予算のことを忘れよう。
それにしても、鈴木宗男似のあの次長が、ピースのぬいぐるみを愛し、DVDに見入る姿を想像すると笑ってしまう。





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